飛び込み・荒井祭里 水泳第1号のパリ“内定” 東京五輪は22位で予選落ち「次こそが本当の五輪だと」

 「飛び込み・世界選手権」(18日、福岡県総合プール)

 飛び込み女子で東京五輪代表の荒井祭里(まつり、22)=JSS宝塚=が、2024年パリ五輪代表に事実上内定した。高飛び込み準決勝で313・95点の7位となり、12人による19日の決勝進出が決定。棄権などのアクシデントがなければ、水泳の全種目通じてパリ五輪内定の日本勢第1号となる。

 抜群の安定感だった。全選手がノースプラッシュ(水しぶきの立たない入水)を連発し、1本のミスも許されない試合展開。その中で荒井は着実に点数を重ねると、決勝進出ギリギリの11位で迎えた5本目の5253B(後ろ宙返り2回半1回半ひねりえび型)では、この日最高得点の65・60点をマーク。7位で準決勝を突破し五輪切符をつかんだ。

 「実感はわいていないけど、ここでもう一回2回目のオリンピックを取りたいと思っていた。それがかなって本当にうれしい」

 “戦友”の思いも背負った。板橋美波(JSS宝塚)と組んだ16日のシンクロ高飛び込みでは、表彰台と五輪内定を逃す5位となり、2人で涙した。この日の試合前には板橋から「頑張って応援している」とメッセージ。その言葉を力に変えて勝負の舞台に臨んだ。

 初出場の東京五輪は22位で予選落ちとなり「やりきった感が本当になくて、ただ終わっちゃった感じ。次こそが本当の五輪だと思ってもう一回挑戦したい」。まずは19日の決勝で前回大会6位を超える成績を目指す。「5本ともしっかりそろえて。観客を魅了したい」。パリ五輪の前哨戦ともいえる福岡の舞台を最高の結果で締める。

 ◆ 荒井祭里(あらい・まつり)2001年1月18日、兵庫県伊丹市出身。競泳でJSS宝塚に通っていたが、隣で練習する飛び込みを見て興味を持ち、小学1年で競技を始めた。「祭里」の由来は「周りに人がたくさん集まるような人になってほしい」という願いから。インターハイでは高飛び込みで3連覇。日本選手権は17年から6連覇中。東京五輪はシンクロ高飛び込みで6位。兵庫・甲子園学院高卒。武庫川女大4年。JSS宝塚所属。150センチ、44キロ。

 ◆飛び込みのパリ五輪への道 代表は各種目2人まで。以下の成績を収めた選手が内定する。①世界選手権(福岡)の個人種目決勝12位以内、シンクロ種目3位以内②アジア選手権(10月、開催地未定)の優勝者③24年2月の世界選手権(ドーハ)個人種目決勝12位以内、シンクロ種目は五輪出場権獲得国を除く上位4位以内。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス