世界水泳 乾友紀子が涙の2大会連続2冠「世界一のコーチのおかげ」井村コーチ「お手伝いができて幸せ」

 女子ソロFR決勝で優勝し、花束を渡した井村雅代コーチ(左)と涙ながらに抱き合う乾友紀子
 女子ソロFR決勝で優勝し、井村雅代コーチ㊧と涙ながらに抱き合う乾友紀子
 優勝した乾友紀子は涙ぐみながら金メダルを手に笑顔を見せる
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 「アーティスティックスイミング・世界選手権」(19日、マリンメッセ福岡)

 女子ソロ・フリールーティン(FR)決勝が行われた。前回大会2冠の乾友紀子(32)=井村ク=が254・6062点で金メダルに輝き、15日とのテクニカルルーティン(TR)との2種目2連覇を達成した。

 テーマは「オロチ(大蛇)」。蛇の荒々しさや優雅さ、最後は息絶えてしまうはかなさも体全体を使って表現した。コースロープのない鏡のような50メートルプールにただ1人。水面に広がる波紋、舞い上げるスプラッシュ一つ、一つで観客を魅了し、オロチの世界に引きずり込んだ。キスアンドクライで点数が表示されると、井村雅代コーチと抱き合って涙した。

 「前回は表彰台の真ん中に立っていることが信じられなかったけど、今回はすごく実感がわいてグッときた。金を取れたのは世界一のコーチのおかげ」と乾。井村コーチも「連覇はあの子にとって目標。一緒にそのお手伝いができて幸せ」と頬を緩めた。

 従来より技の難度が重視され、1個のミスが致命的となる今季から採用された新ルール。技が認められないベースマーク(最低評価の点数)で他の選手が苦しむ中、乾は「1曲の見せたいものは譲りたくない」とアーティスティックも追究した。この日は決勝進出選手12人の中で最高難度で挑み、さらに芸術点でもトップ。世界女王として貫禄を示した。

 今後の去就については「福岡の世界水泳のことまでしか考えていなかった」と話すにとどめ、明言しなかった。

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