2冠の乾、支えた井村コーチ 二人三脚で偉業を達成
世界水泳のアーティスティックスイミングで、32歳の乾友紀子が女子ソロで史上2人目となる2大会連続2冠を達成。19日のフリールーティン決勝を制すと、感極まった表情で井村雅代コーチ(72)と固く抱き合った。
井村氏は東京五輪で日本代表ヘッドコーチを勇退。3度目の五輪を終えた乾は「個人で評価されたい」とソロに軸足を移すことを考えた。井村氏は当初、コーチ兼任で泳いでもらう案を持っていたが、日本水泳連盟の金メダル獲得を最優先してほしいとの意向もあり、ソロ選手専念に。井村氏もマンツーマンで指導することを決めた。
今年からの新ルールでは技の難易率をいかに上げるかが最大のポイント。井村氏は「(難易率を計算するため)私がプールサイドでパソコンを打ちながらコーチングするとは思わなかった」と笑う。国際大会からの帰りの飛行機では、仮眠を取る間も惜しんで2人で演技構成を語り合った。
乾は「金メダルは世界一のコーチのおかげ」と涙ながらに感謝し、井村氏は「彼女が目指したところに連れていけて良かった」と笑みを見せた。