玉井陸斗 大号泣のパリ五輪事実上内定 ぎっくり腰が「痛すぎて」 喜びより安心感のパリ切符

 「飛び込み・世界選手権」(21日、福岡県立総合プール)

 飛び込み男子で東京五輪代表の玉井陸斗(16)=JSS宝塚=が、24年パリ五輪代表に事実上内定した。同高飛び込み準決勝で427・70点の7位となり、12人が進む22日の決勝進出が決定。棄権などのアクシデントがなければ、2大会連続の出場が決まる。女子3メートル板飛び込み決勝は三上紗也可(22)=日体大=が305・25点で7位となり、東京大会に続く五輪切符をつかんだ。アーティスティックスイミングのチーム・フリールーティン決勝に臨んだ日本は銀メダルを獲得した。

 満身創痍(そうい)だった。玉井は3日前の陸上練習中に持病の腰痛が悪化。練習もままならず、10メートルからの練習はこの日のみ。準決勝5本目の演技で腰を反って入水したことで、さらに悪化し「ぎっくり腰」の状態になったという。

 その中で迎えた最終6本目。「横から落ちるかもしれない」。大失敗する恐怖と不安の中、小学生から演技する5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)を感覚だけで飛んだ。この日自身最高の86・40点をマーク。7位で準決勝を突破した。取材場所では「腰が痛すぎて…」と大号泣。「すごいホッとした。最後までやり切れてよかった」。喜びよりも安心感の方が強かった。

 決勝は22日。日本水泳連盟が定める規定により、決勝を1本でも飛ばなければ内定は確定しない。ただ、24年2月の世界選手権(ドーハ)でも出場権を得るチャンスはある。無理をすれば競技人生に支障がある大けが。それでも玉井は「やっぱりできることはやらないといけない」。日本を背負うエースとして強い覚悟をにじませた。

 ◆玉井陸斗(たまい・りくと)2006年9月11日、兵庫県宝塚市出身。小学1年で飛び込みを始め、19年4月の日本選手権では最年少優勝を達成した。21年5月のW杯東京大会で8位入賞し、同8月の東京五輪でも7位入賞。22年7月の世界選手権では日本史上最高の銀メダルを獲得した。兵庫・須磨学園高2年。160センチ、55キロ。

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