日本記録にも近い“豊昇龍の背中の強さ” 立浪部屋の松原コーチが明かす進化の要因とは

 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(23日、ドルフィンズアリーナ)

 関脇豊昇龍(24)=立浪=が優勝決定戦の末に涙の初優勝を飾り、大関昇進を決めた。持ち前の運動神経とセンスに加え、力強さにも磨きがかかった豊昇龍。進化の要因はトレーニングにもあった。立浪部屋のフィジカルコーチを務める松原郷士氏(50)が、初優勝を果たした豊昇龍のすごさを証言した。

 松原氏はパワーリフティングの元日本王者。9年前から立浪部屋での指導を始め、昨年4月からは部屋住み込みのコーチになった。パワーリフティングの一瞬で出す力を100%にする過程は、相撲の立ち合いに類似する部分があるという。豊昇龍が飛び抜けているのも「一瞬の爆発的なパワーの使い方」だという。さらに「相手のバランスの崩し方がうまい。(同部屋の)明生には教えてできたことが、彼はその場でできている」とのみ込みの速さも挙げた。

 本場所に向けては5週間のプログラムを実践。最初の2週間はサイズアップの筋力トレーニングで、3週間前から相撲で生かせるような動きに変えていく。場所の初日に、体が最も張って、一番スピードが出せる状態に仕上げていった。また、豊昇龍は今場所前、バランスチェックでグラグラだった足首の修正プログラムも取り入れた。

 トレーニングは①胸=押す筋肉②背中=引っ張る力③下半身の3分割。胸はベンチプレス、背中はデッドリフト、下半身はスクワットがメインとなる。豊昇龍は4年前からの数値だと、ベンチプレスは60キロから180キロに、デッドリフトは120キロから280キロになった。一番やらなかったスクワットも今は240キロだ。松原氏は「豊昇龍は背中が一番強い。デッドリフトはめちゃくちゃすごい。日本記録が300キロちょっとぐらいですから」と説明した。

 豊昇龍が本格的にトレーニングを継続し始めたのは最近。松原氏も「ポテンシャルが高すぎる。伸びしろだらけ。怖いんですよ。自分でここまできたわけですから」と舌を巻く。今場所に向けては「優勝を。」と宣言。トレーニングルームの白板に自ら目標をしたためていた。有言実行でつかんだ初賜杯、そして大関の座だった。

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