新大関・豊昇龍 “気魄一閃”用いた決意表明「どんなことがあっても力強く立ち向かう」

 大関昇進の伝達式を終え、記念撮影でタイを持ち笑顔の豊昇龍(手前中央)。同左は立浪親方(代表撮影)
 大関昇進の伝達を受け口上を述べる豊昇龍(左)。同2人目は立浪親方(代表撮影)
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 日本相撲協会は26日、名古屋市内で大相撲秋場所(9月10日初日、両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開催し、名古屋場所で初優勝を飾った関脇豊昇龍(24)=立浪=の大関昇進を満場一致で決めた。豊昇龍は昇進伝達式で「気魄一閃(きはくいっせん)」の言葉を用いて決意表明。大関として何事にも力強く立ち向かい、横綱を目指すことを誓った。

 重圧も逆風もはねのけてみせる。そんな強い思いを4文字に込めた。「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力いたします」。ていねいに、キッパリと、豊昇龍が新大関の所信表明をした。

 候補に挙がった言葉の中から、師匠の立浪親方(元小結旭豊)と相談して口上に盛り込んだ。「どんなことがあっても力強く立ち向かう。そういう意味で決めました」と説明。出来には「満点って言うしかないじゃないですか」と破顔した。

 元横綱朝青龍のおいっ子。常にその看板とも戦ってきた。「自分が勝たないと叔父さんの名前が下がる」と奮闘を続け、大関の地位に到達。まだまだ偉大な背中を追うことを途方もなく感じる瞬間を「それは今でもありますよ」と認めつつ「超えるとかはできないかもしれないけど、ちょっとでも近づきたい」と諦めることはない。

 叔父からは「やることをしっかりやったんだから、楽しめ!」と言葉をかけられて臨んだ伝達式。「すごくうれしい。今日の日は、人生で1回しかない。すごく緊張しました。相撲をとるより緊張した」。土俵の厳しい表情とは違う、24歳の若者らしい笑顔が何度もはじけた。

 大関は「入門した時は夢のところだった」番付。ただ、豊昇龍は「ここで終わるわけじゃない。次に向けて頑張りたい。人より倍、稽古しないといけない」と最高位を見据えた。叔父は3場所で通過して駆け上がった横綱への最後の頂。「力強く、ファンのみなさんが喜ぶ相撲をしていきたい」。どんなに険しくとも、しっかりと顔を上げて前に進む。

 ◆豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ=本名スガラグチャー・ビャンバスレン)1999年5月22日、モンゴル・ウランバートル出身。2015年に日体大柏高に留学後、相撲を始める。18年初場所で初土俵を踏み、19年九州場所で新十両。20年秋場所で新入幕を果たした。優勝1回、敢闘賞1回、技能賞2回。188センチ、142キロ。得意は右四つ、寄り、投げ。

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