鈴木聡美 地元福岡で7位入賞「競技人生の中で一番いい経験だった」 パリ五輪へ「向上意欲の湧くレース」

 女子50メートル平泳ぎ決勝を終え、電光掲示板を見つめる鈴木聡美(撮影・中田匡峻)
 女子50メートル平泳ぎ決勝を終え、観客に手を振る鈴木聡美
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 「競泳・世界選手権」(30日、マリンメッセ福岡)

 女子50メートル平泳ぎ決勝では、12年ロンドン五輪で3つのメダルを獲得した鈴木聡美(32)が30秒44で7位だった。同400メートル個人メドレー決勝では初出場の成田実生(金町SC)が4分42秒14で8位。400メートルメドレーリレー決勝では、男子(入江陵介、渡辺一平、水沼尚輝、松元克央)が6位だった。

 今大会一番の大歓声が鈴木をつつんだ。大外8レーンから飛び込むと、リズムよくストロークを刻み、先頭に食らいついた。予選では、日本記録まで0秒02まで迫っていただけに「記録が上げられなかったのは悔しい」としつつも、「いい緊張感の中で泳げた。この競技人生の中で一番いい経験だった」。地元・福岡で満開の“聡美スマイル”が咲いた。

 ロンドン五輪を沸かせたヒロインも今や32歳。同五輪後は不調に苦しんだが、諦めることなく努力を重ねた。今大会には「五輪でメダルは取ったけど、改めてチャレンジャーとして自分を試したい」。50メートル平泳ぎを本命に置き、基本的なドルフィンキックから見直した。代表合宿で集まるコーチ数人からの助言も取り入れ、浮き上がる15メートルまでの通過タイムを約0秒5短縮。北島康介らを育てた平井伯昌コーチは「才能はなかなか腐らない。一生懸命頑張って、本当に努力してる姿は見習わないといけない」と競技に向かう姿勢を大絶賛した。

 今大会は100メートルでも決勝に残り、世界で戦える強さを証明した。「また課題が見つかったので全レースの記録を超えるようなトレーニングを積んでいきたい。すごく向上意欲の湧くようなレースができた」。澄んだ瞳はパリ五輪を見据えていた。

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