ハンドボール“中東の笛”超えた!ハンド日仏親善試合で過去最多の観衆1万304人 土井レミイ杏利が感慨「歴史的快挙」「大きな一歩」
「ハンドボール・国際親善試合、パリ・サンジェルマン36-27ジークスター東京」(31日、有明アリーナ)
フランスリーグの絶対王者パリ・サンジェルマン(SG)と、日本リーグの強豪ジークスター東京が対戦し、パリSGが36-27で制した。欧州各国のスター選手がそろうパリSGの来日ツアー初戦とあって、観衆1万304人を動員。主催者によれば、日本国内で開催されたハンドボールの試合としては、2008年1月の北京五輪男子アジア予選・日本-韓国戦(代々木第一体育館)の1万257人を抜いて、過去最多となった。8月2日にはパリSGと日本男子代表が対戦する。
大観衆が詰めかけた中、世界最高峰のプレーの一挙手一投足に沸いた。パリSGのフィジカルの強さやテクニックに押されつつも、ジークスター東京も電光石火のパスワークやトリッキーなプレーで応戦し、ファンの歓声に応えた。
“中東の笛”と呼ばれる中東寄りの審判判定が問題化し、異例のやり直しで盛り上がった08年北京五輪アジア予選を超える観衆を集めた。ジークスター東京の主将で元日本代表の土井レミイ杏利(33)は「個人的にも感動して、思い出に残る。歴史的快挙。感謝したい。選手として(コートに)立てて誇りに思う」と感慨深げ。試合に敗れはしたものの、「これだけ多くのお客さんが集まってくれて試合できたのは、成績以上に学びと得られたものが大きい。目標の1万人に到達したのは、これからの日本ハンドボール界にとってもすごく大きな数字。今後も当たり前のように1万人が集まるように、日本のハンドボール界が変わっていったら未来は明るい。その大きな一歩、きっかけになったと思う」と手応えを口にした。
この日、チーム最多の6得点を決めた部井久アダム勇樹(24)も「楽しかった。1万人入ると歓声はこんな感じなんだと。気持ちよかった」と笑顔で振り返り、「リーグ戦でもこれがスタンダートになれば夢がある」と競技普及に向けて気持ちを新たにしていた。