陸上女子１５００メートルで東京五輪８位入賞の田中希実（２３）＝ニューバランス＝が１日、長野県茅野市内で練習を公開した。雷雨に見舞われ一時中断する場面もあった中、１５００メートルと５０００メートルで代表入りが確実な世界選手権（１９日開幕、ブダペスト）へ、順調な調整具合を見せた。

　リベンジの夏にする。昨年の世界選手権は８００メートルを加えた３種目で出場しながら「気持ちの余裕がなかった」という。唯一決勝に進んだ５０００メートルでも１２位と不完全燃焼に終わった。今年は６月のケニア合宿での強化を経て「精神的に強くなった」。武者修行で心身ともに鍛え上げた。

　もうすぐ始まる本番に向けては「いかに自分のペースを見失わずに、自分の力を信じていくかが鍵」と考えている。目標は決勝進出。「（決勝に）残りさえすれば、伸び伸びと戦うぞという気持ちを持っていけるのかな」。心の余裕を持って世界のトップ選手に挑めば、上位へ食い込むチャンスはある。

　その先に見据えるのは２４年パリ五輪だ。「経験を生かして、より上の入賞圏内、メダル圏内をパリ五輪では狙っていきたい」。来夏の夢舞台へ、大きな手応えをつかみにいく。