競歩日本勢まさかの惨敗 男子20キロ前回王者・山西24位「本当に由々しき事態で大きな問題」
「陸上・世界選手権」(19日、ブダペスト)
男子20キロ競歩で日本勢は3大会ぶりにこの種目でメダルなしに終わった。前回2位の池田向希(旭化成)は1時間19分44秒で15位、3連覇を狙った山西利和(愛知製鋼)は24位。古賀友太(大塚製薬)が日本勢最高の12位だった。男子3000メートル障害予選で三浦龍司(順大)が3組4位に入り、1組5位の青木涼真(ホンダ)とともに22日の決勝に進出。女子1500メートル予選で田中希実(ニューバランス)は1組6着に入り、20日の準決勝に進んだ。
日本が強さを誇ってきた男子20キロ競歩で、まさかの結果が待っていた。メダルどころか入賞にすら届かない惨敗。24位に沈んだ前回王者の山西は「本当に由々しき事態で大きな問題。日本チームとして、総合的にどうやって世界と勝負していくかを考えないといけない」と危機感を募らせた。
強雨に見舞われ、2時間遅れて開始。池田は序盤から積極的に飛び出して独歩したものの、15キロ付近で後続につかまった。みるみる順位を落とし「最後までいけると判断したが、完全に止まってしまった。チームとしても複数メダルを目標にしていた中で申し訳ない」と唇をかんだ。
山西は序盤から先頭争いに絡めず見せ場がなかった。昨年末にコンディションが整わなかった影響で冬季練習の開始時期が遅れ、今季はここまで5月に1試合に出場したのみ。「単純に体力不足。レースペースに対して余裕を持てなかった」と悔やんだ。
2021年東京五輪を含め、山西を中心に19年世界選手権から表彰台を守ってきたが、暗雲が垂れ込めた。パリ五輪では35キロの実施がなくなり「分散していた海外勢の戦力が(20キロに)集中し、競争率が高くなってきた」と山西。来夏に向け、立て直しが急務となった。