サニブラウンの準決勝のポイントはスタート 柳田はトップスピードが出る加速 朝原宣治氏の目

 6組1着で準決勝進出を決め、笑顔のサニブラウン・ハキーム
 10秒07の6組1着で準決勝に進出したサニブラウン・ハキーム(中央)
 ゴールするサニブラウン・ハキーム(手前左)
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 「陸上・世界選手権」(19日、ブダペスト)

 男子100メートル予選で、サニブラウン・ハキーム(東レ)が今季自己ベストの10秒07(向かい風0・4メートル)をマークして6組1着となり、10秒20(向かい風0・1メートル)で7組3着だった柳田大輝(東洋大)とともに準決勝へ進んだ。坂井隆一郎(大阪ガス)は10秒22の4組5着で落選した。同種目の元日本記録保持者で、2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの朝原宣治氏(51)が走りを解説し、準決勝への期待を示した。

 ◇  ◇  ◇

 サニブラウン選手は、スタートでそこまでの飛び出しはありませんでしたが、フライングしないように、リスクを負わないようなスタートをして、そこからの加速が素晴らしかったです。もともとスタートで出遅れても、世界大会の予選であれば何の問題もない選手ですが、40メートルあたりからグイグイ出てくる感じで、良かったですね。

 走り終わった後のインタビューも、いつもは反省点が多い気がするのですが、うまく走れたというようなコメントをしていたので、手応えがあったのではないでしょうか。世界選手権前にルツェルンの大会で10秒09を出し、今大会が近づくにつれて調子が上がってきて、少しほっとしたのではないかと思います。

 柳田選手は、まだ良さが出ていない感じでした。スタートでさほど遅れたわけではないのですが、中盤以降、先頭の2人にかなり差を開けられていました。もう少しついていける形であれば良かったのですが…。同じ組の選手に恵まれてもいました。前の2人が速くて、その後にもう一人速い選手がいたらちょっと危なかったでしょう。

 坂井選手はいつものようにいいスタートが切れましたが、そこから先が持ちませんでした。坂井選手の強みは高速の回転をどう維持するかですが、それができませんでした。日本選手権の少し前にアキレス腱を痛めたのですが、トレーニングなどが思うように進まず世界選手権に臨み、いろいろなプランが崩れた感じです。本人としても、どこまでいけるか分からない状態だったと思います。

 準決勝のポイントですが、サニブラウン選手はスタートです。調子が上がったとは言え、今の世界のレベルは、スタートからきっちりいけないと、盛り返して世界の速い選手を抜くことは難しいです。出遅れずに、しっかりスタートを切ることです。

 柳田選手は、10秒02を出したアジア選手権がこれまでと何が違っていたかというと、ピッチが速かったことです。アジア選手権の走りをするならば、ピッチを落とさずに、しっかり前半加速していく必要があります。予選が10秒02ということは、おそらくトップスピードが出ていません。トップスピードが出る加速をしっかりしないといけません。

 準決勝はグラウンドコンディションにもよると思いますが、おそらく9秒台の争いになると思います。出場している選手のほとんどが9秒台を持っています。3組しかなく、トップ2はほぼ9秒台でいくとみています。遅くても10秒0台でないと決勝には進めないでしょう。(2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)

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