サニブラウン 今季自己ベスト10秒07で準決勝進出 スタート遅くも加速が際立つ
「陸上・世界選手権」(19日、ブダペスト)
男子100メートル予選で昨年日本勢として初めて決勝へ進出して7位に入賞したサニブラウン・ハキーム(24)=東レ=が今季自己ベストの10秒07を出して6組1着となり、10秒20で7組3着だった柳田大輝(20)=東洋大=とともに準決勝へ進んだ。坂井隆一郎(25)=大阪ガス=は10秒22の4組5着で落選。女子1万メートルは広中璃梨佳(22)=日本郵政グループ=が31分35秒12で7位に入り、日本勢として2013年大会5位の新谷仁美(現積水化学)以来の入賞を果たした。五島莉乃(資生堂)は20位。男子三段跳びの池畠旭佳瑠(駿大AC)は16メートル40のA組9位で予選落ちした。
大一番に向け、確実に状態が上向いてきた。サニブラウンは、1年前に快挙を成し遂げた世界選手権のスタートラインに立ち「帰ってきたな」と実感。苦しんできた今季の自己ベストで、悠々と6組1着での通過を果たし「ようやくちゃんと戻ってきた。走っていて楽しかった」と充実の口ぶりだった。
スタートの反応時間は8人中7番目だったものの、加速が際立った。10秒09だった7月のスイスでの競技会後、重点的に序盤の10~20メートルの走りを見直し「どうしても少し緩めてしまう部分があったがしっかり修正して走れた」。最後は横を見て流す余裕も見せ「結構気持ちよく走れた」と手応え。「本番」と見据える20日の準決勝と決勝へ「いい刺激」も入れることができた。
8位に終わった6月の日本選手権以降も参加標準記録(10秒00)を突破できず、今大会には世界ランキングでぎりぎり出場資格を得た。それでも「調子は悪くなかったので、しっかりと状態を磨くだけだった」と、焦ることもなかったという。
昨年日本勢初の決勝に進んでも「(7位で)悔しい結果」とかみしめてきたスプリンターは「今年は決勝でしっかりやるぞ、という気持ちで勝てるようにしたい」と誓った。