110メートル障害・泉谷駿介 両足つっても堂々5位 パリ五輪でのメダル再挑戦へ決意新た

 泉谷駿介
 男子110メートル障害決勝で力走する泉谷駿介。右は優勝したグラント・ホロウェー(共同)
2枚

 「陸上・世界選手権」(21日、ブダペスト)

 男子110メートル障害決勝で泉谷駿介(23)=住友電工=が13秒19で5位入賞を果たした。五輪を含め、同種目の日本勢で初めて決勝に進み、過去最高成績となった。泉谷は準決勝を13秒16で走り、1組1着で突破。高山峻野(ゼンリン)は13秒34の3組5着、横地大雅(Team SSP)は14秒93の2組9着でともに落選した。400メートル障害で男子の黒川和樹(法大)は準決勝でパリ五輪の参加標準記録(48秒70)を突破する48秒58をマークしたが、2組4着で落選。女子の山本亜美(立命大)と宇都宮絵莉(長谷川体育施設)は予選落ち。女子100メートル決勝はシャカリ・リチャードソン(米国)が大会新記録の10秒65をマークして初制覇。

 号砲が鳴ってスターティングブロックを蹴り出した瞬間だった。泉谷が日本勢で初めてたどり着いた男子110メートル障害の決勝で、両方のふくらはぎがつるアクシデント。さらに腰付近に張っていたゼッケンが左手にくっつくハプニングも発生。「いろいろ気になって焦りまくった」。持ち前の安定した走りが乱れてしまい、結果は惜しくも5位。「しっかり上位に食い込んでメダルを取りたかった」と唇をかんだ。

 準決勝は順調に組1着で通過し、約1時間半後に迎えた決勝。スタート時にふくらはぎがつった瞬間、それ以上影響を受けないようにするため、とっさの判断で「ふくらはぎと足首を固める」イメージの走りに変えようと試みた。2台目からハードルに足をぶつけても必死に食らい付いたが、本来の伸びを欠いた。

 東京五輪と昨年の世界選手権で阻まれていた「準決勝の壁」を突破した。ただ、メダル獲得は一筋縄にはいかなかった。「(表彰台は)近いようで遠い。トップ選手は本番に強いなと改めて感じた」と痛感。ゴール後は3連覇を果たしたホロウェーらを眺め、「すごいな。自分も来年はそこに立ちたい」と思いを募らせた。

 表彰台には上がれなかったが、初の決勝で得た経験は大きい。「(記録の)アベレージを上げるのが第一。ホロウェー選手みたいに予選、準決勝、決勝とタイムを上げられるようにしたい」と改善点のイメージは明確になった。メダルに再挑戦する来夏のパリ五輪。「(予選を含め)3本しっかり走れる体力や筋力をつけないといけない」と決意を新たにした。

 ◆泉谷駿介(いずみや・しゅんすけ)2000年1月26日生まれ。神奈川県出身。横浜・緑が丘中で陸上を始め、武相高時代の17年に男子八種競技で全国高校総体優勝。順大で110メートル障害を主にする。21年の日本選手権で、当時日本記録の13秒06で初優勝し、23年大会は13秒04で自らの日本記録を更新して3連覇。同年6月の世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)で初出場優勝。東京五輪、昨年の世界選手権(オレゴン)ではともに準決勝進出。175センチ、70キロ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス