北口榛花 日本女子3人目偉業!大逆転で金「本当に強い絶対に投げられる」渾身66m73 パリ五輪内定陸上1号

 6投目で66メートル73をマークし喜ぶ北口榛花。金メダルを獲得した(共同)
 66メートル73をマークし金メダルを獲得した北口榛花(共同)
 女子やり投げで優勝し、電光掲示板の横で日の丸を掲げる北口榛花(共同)
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 「陸上・世界選手権」(25日、ブダペスト)

 女子やり投げ決勝で前回3位の北口榛花(25)=JAL=が66メートル73をマークして初の世界一に輝いた。日本女子では、ともにマラソンで優勝した1993年大会の浅利純子、97年大会の鈴木博美に続く3人目の偉業だった。北口は4位で迎えた最終投てきで逆転し、2大会連続のメダル獲得。日本陸連が定める選考基準を満たし、陸上で第1号となるパリ五輪代表入りした。五輪を含め、日本女子がマラソン以外の種目を制したのは初めて。

 3位に入った昨年を上回る劇的なドラマが待っていた。4位に下がって迎えた北口の6投目。「最終投てきに強いと言われてきたが、自分は本当に強い。絶対に投げられる」と自らを信じ、渾身(こんしん)の1投を放った。魂の叫びに乗せられ、高々と舞い上がったやりが、トップに躍り出る位置に突き刺さる。声を張り上げ、何度も両拳を握った。

 1投目で右ふくらはぎをつった影響もあり、なかなか本来の投げを披露できない。ルイスウルタド(コロンビア)が1投目で記録した65メートル47に届かないどころか、土壇場ではメダル圏外。ただ「ハンガリーの競技場の人たちはみんな、国籍に関係なく絶対拍手をしてくれる」と手拍子を求めると、雰囲気が一変した。

 会場全体を包み込むような後押しの中、ルーティンをこなして助走を始めた。「良くても悪くても後悔しないように」と力強く投じられたやりは66メートル73をマーク。最後にルイスウルタドに抜かれず、戴冠が決まった。

 5位からの逆転劇でつかんだ昨年の銅メダルに続き、最後の最後で射止めた悲願の金メダル。高校でやり投げと出会い、世界ユース選手権優勝からは8年が過ぎた。「ユースで、世界で1番になってから、本当に自分が世界で1番になれると信じてやってきた。この競技を選んで、本当に良かった」と幸せをかみしめた。

 ◆北口 榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日、北海道旭川市出身、25歳。JAL所属。北海道・旭川東高から日本大に進み、19年に2度日本記録を更新した。21年東京五輪では同種目で57年ぶりに決勝に進み12位。昨年は世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)で日本勢初優勝。世界選手権で3位に入って日本女子投てき種目で初メダル。今年7月に67メートル04をマークして4年ぶりに日本記録を更新した。179センチ。

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