「陸上・世界選手権」（２６日、ブダペスト）

　女子５０００メートル決勝が行われ、田中希実（２３）＝ニューバランス＝が１４分５８秒９９で８位入賞を果たした。日本勢同種目では、１９９７年アテネ大会８位の弘山晴美以来、２６年ぶりの入賞。中継したＴＢＳのインタビューでは感極まって涙を流し「怒りだけじゃなく、自分への許しが必要なんだと初めて気づけた」と語った。

　田中は序盤から駆け引きの中で自身のペースを守り、先頭集団に食らいついてラスト１周に突入。最後の力を振り絞って８位でゴールした。「けん制が入ったり、ペース変動が激しいレースだったが、足を削り取られることなくラスト１周まで食らいつくことができた。自分自身にワクワクしながら最後まで走り抜けた」と声を弾ませた。

　予選では日本新記録となる１４分３７秒９８をマークし、世界選手権では３大会連続の決勝進出。１９年ドーハ大会は１４位、昨年のオレゴン大会は１２位だったが、ついに壁を破って８位入賞を果たした。

　田中は「去年のオレゴンはむなしくて、悲しくて、何の悲しみか分からなかったが、悲しみが怒りに変わって、この１年間ずっと努力してきて。でも、怒りだけじゃなくて自分自身への許しが必要なんだなと、この大会で初めて気づくことができた」と感慨を込め、「気づかせてくれたのは色んな支えがあったからで、私１人じゃここまで来られなかったので感謝の気持ちでいっぱい」と涙ながらに感謝した。