ジョセフ日本 W杯前最終戦は完敗締め “同格”イタリアにダブルスコア…本番に不安残す
「ラグビー・リポビタンDツアー2023、日本代表21-42イタリア代表」(26日、トレビーゾ)
日本代表(世界ランキング14位)はイタリア代表(同13位)に21-42で完敗した。9月8日開幕のW杯フランス大会前、最後のテストマッチを白星で飾れなかった。FB松島幸太朗(30)=東京SG=のトライなど計3トライを挙げながら終盤に突き放された。W杯イヤーの実戦を1勝5敗で終え、9月2日にW杯本番のベースキャンプ地となるフランスのトゥールーズへ移動。10日にW杯1次リーグD組でチリ代表との初戦を迎える。
まさかの完敗にジョセフHCは険しい表情を浮かべた。課題だった退場者こそ出さなかったが、チャンスでキックの失敗やマイボールラインアウトを確保できないミスが続き「自滅が多すぎた」と同格のイタリア相手に“ダブルスコア”をつけられた。
本番のW杯1次リーグならボーナスポイント(7点差以内の敗戦なら勝ち点1)さえ得られない結果。21-28の後半37分には自陣から不用意に蹴った小さなキックを奪われ、その3分後はWTBナイカブラの苦し紛れのタップパスをカットされ、カウンターから連続トライを許した。
リードされる状況で、勝たなければならない焦りから、通常なら選択しない“いちかばちか”のプレーが終盤に増え裏目に出た。主将のナンバー8姫野は「大事な局面でのミスが命取りになる」と軽率なプレーがW杯レベルでは通用しない厳しさを改めて感じた。
この試合ではフランカーのリーチが出場停止から3試合ぶりに復帰してフル出場。それでも、W杯前最後の実戦で完成度の高いチームは見せられなかった。国内5連戦からこの日の試合までトンガに勝利したのみで、本大会でも対戦するサモアに負けるなど1勝5敗。不安要素を抱えながら本番を迎える。
それでも後半12分に一時4点差まで迫るトライを決めたFB松島は「いまさら下は向けない」と覚悟。指揮官も「まだ(W杯初戦まで)2週間ある」と前を向いた。1次リーグでは格上のイングランドやアルゼンチンが待ち受けるが、自分たちを信じて突き進むだけだ。