痛恨のバトンミスでリレー侍5位 3走・小池→4走・サニブラウンで手間取ってメダル0秒07届かず
「陸上・世界選手権」(26日、ブダペスト)
男子400メートルリレー決勝で、坂井隆一郎(25)=大阪ガス、柳田大輝(20)=東洋大、小池祐貴(28)=住友電工、サニブラウン・ハキーム(24)=東レ=の布陣で挑んだ日本は37秒83の5位で、2大会ぶりのメダル獲得はならなかった。米国が37秒38で制した。男子1600メートルリレーで前回4位の日本(地主直央、佐藤風雅、佐藤拳太郎、中島佑気ジョセフ)は3分0秒39の1組5着で予選落ちした。
猛烈に追い上げながらゴールを切ったサニブラウンは、座り込みながら顔をしかめた。ジャマイカ、英国との激しい3位争いとなったが、メダルにはわずか0秒07届かず5位。結果を確認し「マジか…」とつぶやいた。
少しのミスでも大きく響く。個々の走力に加え、バトンワークが勝敗を分けた。日本が強さを誇っていた男子400メートルリレーだが、決勝で途中棄権に終わった東京五輪も含めると、主要世界大会では3大会連続でメダルなしとなり、小池は「改めて少しのミスが響いてしまう種目だと感じた」と実感を込めた。
1走を務めた坂井のスタートの反応時間は8チーム中6番目。隣のレーンを走った強豪コールマン(米国)の加速にもついていけず「個人の力の差を痛感した」。2走の柳田も強敵が集まる区間でリードを許し「もっと力をつけないといけない」と反省した。
3走の小池から、アンカーのサニブラウンへのバトンパスでは、サニブラウンが後ろを振り返る一幕もあった。スムーズに受け取れないところから必死に追い上げた日本のエースは「ほとんど加速できない状態で走った」と悔やんだ。
2017、19年と2大会続けて銅メダルに輝いたが、ここ最近はお家芸であるはずのバトンワークに泣いている。東京五輪は決勝でバトンが渡らず途中棄権となり、昨年のオレゴン大会も予選失格と悪夢を繰り返した。今回、決勝を走れたのは一歩前進といえるが、復活へは道半ばだ。
世界の背中は捉えているだけに「バトンをしっかりつないでちゃんと走れれば、メダルは取れる」とサニブラウン。「この悔しさを生かして、次は金メダルを取れるようにみんなで頑張っていきたい」と、真価が問われる来夏のパリ五輪での雪辱を期した。