バスケ日本が格上相手に歴史的1勝 第4Qで10点差を大逆転!25得点の河村「自信を持っていい」
「バスケットボール男子・W杯・1次リーグ、日本代表98-88フィンランド代表」(27日、沖縄アリーナ)
日本代表がフィンランドに98-88で逆転勝ちし、1勝1敗として2次リーグ進出に望みをつないだ。日本は10点ビハインドで迎えた第4クオーターに河村勇輝(22)=横浜BC=らの活躍で逆転した。W杯での勝利は前身の世界選手権だった2006年以来。対欧州勢のW杯での連敗も11で止めた。29日のE組最終戦でオーストラリアと対戦し、勝てば2次リーグ進出、負ければ順位決定リーグに回る。今大会は来夏のパリ五輪の予選も兼ね、日本はアジア最上位に与えられる出場権獲得を目指す。
自国開催の大舞台。沖縄の地で、アカツキジャパンが歴史的1勝をもぎ取った。W杯の前身だった2006年の世界選手権以来、17年ぶりの白星。NBAジャズのエース、ララウリ・マルッカネンを含む2メートル超えの選手を6人擁し、世界ランクで格上のフィンランド相手に真っ正面からぶつかり、倒した。
21年東京五輪で女子を銀メダルに導いたトム・ホーバス監督が監督に就任して約2年。「こんな経験はしたことがない。後半は日本のリズムになった。最高です」。震えた声が歴史的勝利を物語っていた。
63-73と劣勢で迎えた第4クオーター。“和製カリー”が会場全体に火を付けた。富永が3点シュートラインから1歩以上離れた位置から長距離砲を射抜く。66-73。左手を下から上に振り上げ、会場をあおった。これが18点差を覆す大逆転の合図。赤いユニホームで染まった満員の会場を味方に付けた。
富永の3点シュートを警戒して、フィンランドが止めにきた。そのできた隙に、次は同学年の河村が続いた。172センチと小柄ながら果敢にドライブで攻め込むと、フィンランドの巨人たちを抜き去ってファウルをもらいながらレイアップ。フリースローも沈めて79-78と逆転を演出した。
3点シュートを次々と沈め、25得点を記録した河村。新司令塔が勝利へ導いた。「本当にすごくうれしい。フィンランドに勝てたことは自信を持っていい。勢いをつける勝利だった」。終了のホイッスルが響き渡ると、持っていたボールを天高く投げ、喜びを爆発させた。
帰化選手のホーキンソンはチーム最多の28得点、19リバウンド、ベテランの比江島も17得点を記録し、文字通り全員一丸でつかんだ勝利だった。これで2次リーグ進出も視界に捉えた。29日は世界ランク3位のオーストラリア戦だ。「自分たちの目標はアジア1位になること。ここはぶらさずに戦っていきたい」と河村。24年パリ五輪切符獲得へ、勝負の一戦に臨む。