世界陸上5000m26年ぶり入賞の田中希実が帰国 一回り成長した夏「『自信を持つ』ということがどういうことなのか学べた」

 陸上の世界選手権(ブダペスト)に1500メートルと5000メートルの2種目で出場した女子の田中希実(23)=ニューバランス=が29日、成田空港に帰国した。「非常に自分にとっては長い世界陸上だった。でもその分成長できたかな」とうなずいた。

 1500メートルでは準決勝敗退となったが、中2日で迎えた5000メートル予選では従来の日本記録を14秒86も更新する14分37秒98を樹立。決勝では8位に入り、同種目の日本勢として1997年大会8位の弘山晴美以来、26年ぶり2人目の入賞を果たした。

 序盤は苦しんだ今大会。「去年は3種目だったんで、訳分かんないまんまにとにかく走って、気付いたら過ぎ去ってたんですけど、今回は1本1本のレースにすごく気持ちを作っていって、1本1本のレースが結構間延びはしてたんで、かなり1カ月ぐらいに感じた期間」と振り返った。

 得た収穫もある。「『自信を持つ』ということがどういうことなのか学ぶことはできた。去年のオレゴンは自信よりすごく自尊心の塊というか、それに押しつぶされそうになって。今回の世界陸上は、実力さえつけば自信はつくものだと思って臨んでたんですけど、戦えるはずなのにおじけづいてしまう自分がまだいて。強くなったはずなのになぜなのかと。やっぱり本当の意味での自信は持ててないと。それでいろんな方の支えがあって初めて安心して。『自信が完全にあってもなくてもやりたい』っていう気持ちを持っていくことが大事なんだなと思いました」と気づきがあったという。

 今後は「あさってにドイツで1マイルのロードレースです」と多忙な予定となる。「今回の経験を思い出しながら、ここで乗り越えられたことが、今後どんどんちょっとずつ変わっていくためのより所になるんじゃないかなと思いました」と、一回り成長した夏になった。

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