陸上の世界選手権に出場した日本代表が２９日、成田空港に帰国した。男子４００メートルで３２年ぶりの日本新記録となる４４秒７７を出した佐藤拳太郎（富士通）は「今大会で日本記録は必ず出さなければいけないと思っていたので、１つそれを達成できたのは収穫だった」とうなずいた。

　日本記録を出した一方で、４００メートルは準決勝で敗退。活躍が期待された１６００メートルリレーは予選敗退に終わった。「最大目標にしていた決勝進出とマイルリレーでのメダル獲得というところでは達成ができなかった。全然納得がいかないといかないというか、まだまだ全然やれた」と悔しさをにじませた。「来年のパリオリンピックまで全然時間がないので、日々の練習の意識を変えて準備していきたいです」と誓った。

　男子１００メートルと４００メートルリレーに出場した柳田大輝（東洋大）と坂井隆一郎（大阪ガス）も帰国した。１００メートルで予選敗退となった坂井は「この大会は、悔しい大会だった。１００メートルは去年は準決勝までいけたけど、今年は予選敗退。リレーも（５位）入賞することはできたけど、目指していたのは日本記録やメダル獲得だったので、そこに届かなかったのが本当に悔しい」と苦笑い。１００メートルで準決勝敗退となった柳田も「僕としても、悔しさが大きい大会になった。１００メートルも準決勝に進めただけで終わってしまったと思うし、４継（４００メートルリレー）に関しても僕の区間での走りはチームに勢いを与える走りではなかった。両方の種目で、力の足りなさを痛感する試合になった」と悔いた。

　今後へは「まだ実力不足。今年の冬季で地力をつけて、来年に９秒出すような、そんな思いで取り組んで行きたい」と坂井。柳田は「まだ（１０秒）０台を１回しか出していないので、０台を安定させることが最初にやることかなと。その先に９秒台が見えてくるので、まずは９秒台だして、（２４年パリ五輪の参加）標準を切って五輪、世界陸上に出られたら」と見据えた。