レスリング女子・藤波朱理 五輪切符懸かる世界選手権で「必ず優勝したい」 伝統ある53キロ級「責任持って勝ちたい」

 レスリング女子53キロ級で公式戦122連勝中の藤波朱理(19)=日体大=が29日、出身地である三重県いなべ市で行っている練習を報道陣に公開した。来夏のパリ五輪予選を兼ねる世界選手権(9月16日開幕・ベオグラード)でメダルを獲得すれば初の五輪代表に決まるが、「今はワクワクする気持ちが強い。応援してくれる人のためにも、今まで頑張ってきた自分のためにも必ず優勝したい」と決意を込めた。                 

 外は炎天下。エアコンもなく蒸し暑い練習場で、大粒の汗がしたたり落ちる。大一番の3週間前に、高校まで慣れ親しんだ地元での調整を選んだ藤波は、男子高校生相手にタックルや返し技を入念に繰り返した。「暑くてキツいが、この後、東京の涼しい環境に戻ると足が動きやすくなるので、自分で望んだ。いい練習ができている」。充実感をにじませながら、うなずいた。

 昨年は世界選手権直前に左足甲を負傷し、無念の欠場となっただけに、練習前後のケアなど細心の注意を払っている。また、東京では父俊一コーチと二人暮らしだが、地元では母千夏さんの手料理で体重調整や栄養管理もしやすい。「みそ汁がおいしい。赤だしが効いていて(具材は)わかめが好き」。幼少期から大好きな“おふくろの味”で英気を養った。

 世界選手権まで残り3週間。5位以上で五輪出場枠を獲得でき、表彰台に立てばパリ五輪代表に内定するが、改めて目標を聞かれると、食い気味で「優勝すること!!」と即答。国内選考会では東京五輪金メダルの志土地真優(ジェイテクト)を破って挑戦権を手にしただけに「伝統のある53キロ級で責任を持って勝ちたい」と、吉田沙保里らが戦ってきた階級での決意を込めた。

 今年11月11日には二十歳の誕生日を迎える。19歳最後の試練として五輪切符が懸かる世界選手権、さらに初出場となる杭州アジア大会(9月23日開幕)の2連戦に臨むが、「最高の誕生日を迎えて、最高のお酒を飲みたい」と勝利の美酒を待ちわびた。

 ◆藤波 朱理(ふじなみ・あかり)2003年11月11日、三重県四日市市出身。レスリング指導者の父俊一さんの影響で4歳から競技を始めた。三重・いなべ総合学園高から日体大に進学。中学2年時の17年9月から公式戦無敗を続けており、23年8月現在122連勝まで伸ばしている。世界選手権は21年大会に初出場し優勝。家族は両親、兄は17年世界選手権銅メダルの勇飛。趣味はおいしいものを食べること。164センチ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス