飛び込み 馬淵優佳、世界切符が遠のき号泣…パリ五輪への道厳しく「大きなミス、悔しい」21年12月に現役復帰
「飛び込み・日本選手権」(1日、日環アリーナ栃木)
世界選手権(来年2月、ドーハ)代表選考会を兼ねて行われた。21年12月に現役復帰した馬淵優佳(28)=ミキハウス=は2種目に出場し、女子3メートル板飛び込み決勝は295・5点で3位。女子3メートルシンクロ板飛び込みは榎本遼香(26)=栃木トヨタ=とのペアで259・80点をマークし1位となったものの、選考基準点(277点)には届かず、24年パリ五輪の出場権が懸かる世界選手権出場は厳しくなった。
全ての演技を終えると、馬淵の目には悔し涙があふれ、両手で顔を覆った。シンクロの4本目は2人のタイミングが合わず、ミスが大きく響いて選考基準には届かなかった。「3本目まではいい流れできていたが、4本目に私が大きなミスをしてしまって、その1本で伸びなかったのが悔しい」。夫の瀬戸大也(29)らも観客席で見守る中、パリ五輪出場が遠のく厳しい結果となった。
個人種目ではパリ五輪代表に内定している三上紗也可、榎本遼香には及ばず3位だったが、自己ベストを更新する演技を見せた。「300点に行きたかったが、もう少しだった。次の試合に反省点を生かして、300点を超えられる演技がしたい。高さを出す、パワーを出すという課題は成長できた」と手応えを示し、「反省を生かして次につなげていきたい。あまり時間は無いが、もう一度細かい部分を詰めて、より高い点を出せるように頑張りたい」と前を向いた。
馬淵は17年5月に競泳男子の瀬戸と結婚。同年8月に一度引退したが、2児の出産を経て21年12月に電撃復帰した。2児の母として育児と並行しながら、週5~6回の練習を両立。パリ五輪を最大の目標に置き、1度目の現役よりも高難度の技に挑んでいる。今年4月の代表選考会では、女子3メートルシンクロ板飛び込みで1位となったものの派遣参考得点には届かず、今夏の世界選手権福岡大会の代表入りはならなかった。
◆飛び込みのパリ五輪への道 代表は各種目2人までで、以下の成績を収めた選手が内定する。①7月の世界選手権(福岡)の個人種目決勝12位以内、シンクロ種目3位以内、②アジア選手権(10月、開催地未定)の優勝者、③24年2月の世界選手権(ドーハ)個人種目決勝12位以内、シンクロ種目は五輪出場権獲得国を除く上位4位以内。