松田力也 亡き父と母校の思い背負って臨むW杯 伏見工時代の恩師が明かした秘話とは

 亡き父と母校・伏見工の思いを背負ってW杯に臨むSO松田
 チリ代表との初戦に向け最終調整する松田(共同)
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 「ラグビー・W杯・1次リーグD組、日本代表-チリ代表」(10日、トゥールーズ)

 日本代表のSO松田力也(29)=埼玉=が、1次リーグ初戦のチリ戦で念願の「10番」をつけて先発で大舞台に立つ。伏見工時代に指導した高崎利明氏(61)=現京都奏和高校長=は、小5の時に亡くなった父・大輔さん、母校の期待などを背負って本大会に臨む教え子への思いを語った。

 言い続けてきた目標を現実とした。「10番でW杯に出たい」。8日に発表されたチリ戦の先発SOに松田が名を連ねた。19年W杯日本大会では、4試合に出場したものの全て途中出場。その悔しさを4年間忘れることはなかった。

 ラグビーの道に導いてくれた小5の時にくも膜下出血で亡くなった父・大輔さんのためにも、W杯出場にこだわった。「一緒に戦ってくれると思っている。本当にいいパフォーマンスをする。見守ってほしい」。8月15日に本大会メンバー入りが決まった後、京都にある父の墓前に報告した。

 大輔さんは花園高からユニチカに進み、国体の京都府代表で高崎氏の後輩だった。そのつながりもあって松田が小学生の時に長野・菅平での伏見工の合宿に参加した。当然練習の全てについてはいけなかったが、高崎氏は「大人に好かれるタイプだった」と礼儀正しく常に一生懸命だった力也少年の姿を振り返る。伏見工に入学した時点で「日本代表まで目指すというストーリーを描かせた」と明確に意識させてきた。

 伏見工は故平尾誠二さんを擁した80年度の全国高校大会で初優勝。ドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルにもなり、ファンから根強い人気があった。だが、16年4月に学校統合で校名が京都工学院に変更された。高崎氏は「伏見の名前のつく選手としては最後かな。彼がどれだけ頑張ってくれるか」と期待。13年に卒業した松田は「自分ができることをやりきることが一番の恩返しになる」と、母校の後押しも力に白星発進へ全力を尽くす。

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