【トゥールーズ（フランス）共同】追加登録された２４歳のタックラーが力強く一歩を踏み出した。ラグビーのワールドカップ（Ｗ杯）フランス大会で日本代表のフランカー下川甲嗣（東京ＳＧ）は１０日の１次リーグＤ組初戦、チリ戦でＷ杯初出場を果たした。「いい緊張感で迎えられた。自分の役割はやったつもり」と手応えをにじませた。

　味方の声がかき消されそうなほどの大歓声に「これがＷ杯」と実感した。得意とする防御で「ラインスピードを上げてプレッシャーをかける」と、序盤から何度も鋭いタックルを見舞った。

　福岡・修猷館高１年の時、バックスからタックル回数の多いＦＷ第３列へ転向。もともと苦手だったが「怖さを捨てた」と覚悟を決めて体をぶつけるようになった。体格で勝る強豪の東福岡高には複数人のタックルで対抗。

　今回の遠征にはバックアップ要員で同行。「メンバーの一人として戦いたい」と諦めず汗を流し、他の選手のコンディション不良で８月下旬に入れ替わった。待ち望んでいた舞台で輝いた。