ラグビーのワールドカップ（Ｗ杯）フランス大会で、２連覇を狙う南アフリカの新たな司令塔が華々しい第一歩を刻んだ。１０日の１次リーグＢ組初戦、スコットランドとの強豪対決で２６歳のＳＯリボックがスーパープレーで勝利に貢献し、試合の最優秀選手に。「Ｗ杯は夢だった。初戦でこんなにうまくいくなんて最高だ」と目を輝かせた。

　６万３千人超の観衆をどよめかせたのは１１-３の後半１０分。中央でパスを受け、素早く右足で楕円球を蹴った。視線を前方に送りながら右方向に蹴る「ノールックキック」だ。意表を突かれた相手防御の頭上をふわりと越え、大外のＷＴＢアレンセの胸元にぴたり。「たくさん練習した形。決まって良かった」と両手を広げて歓喜した。

　前回大会得点王の名ＳＯポラードの負傷もあり、昨年代表デビュー。“ラグビーおたく”と呼ばれるほどの研究熱心さで仲間の信頼を勝ち取った。

　手ごわい相手がそろうＢ組で好発進。この先も鍵を握るリボックは「これで自信を持って次に進める」と手応えを口にした。