「阪神ファン」大の里5連勝 “アレ”へ快進撃「甲子園からパワーもらってる」
「大相撲秋場所・5日目」(14日、両国国技館)
新十両の大の里(23)=二所ノ関=が紫雷(木瀬)を寄り切り、十両ではただ一人勝ちっ放しの5連勝を決めた。石川県出身の生粋の阪神ファンで、十両“アレ”へ破竹の進撃を続けている。幕内では3大関がそろって白星を挙げ、3連敗中だった豊昇龍は玉鷲を押し出して2勝目を挙げた。かど番の2大関は霧島が朝乃山を外掛けで退け、連敗を2でストップ。貴景勝は阿炎を押し出して4連勝とした。全勝力士がいなくなり、1敗で貴景勝ら8人が並んだ。
角界の大器が猛虎のような勢いを見せた。大の里が192センチ、176キロの恵まれた体格を生かして紫雷を寄り切って、初日から土つかずの5連勝。大好きな阪神のように“アレ”へ快進撃を見せるが「(アレは)まだまだ。全く意識しない」と口元を引き締めた。
石川県出身の23歳。甲子園のある兵庫県西宮市からは遠い地で生まれ育った。ただ、家族が虎党ということもあり、自然と幼少期から野球と縦じまを愛するように。日体大時代には2年連続でアマチュア横綱に輝き、名をはせた一方で、プライベートでは東京ドームでの阪神戦を観戦することもあった。
虎トークには声が弾む。「好きな選手は桧山さん。代打の神様っていう感じで、コアなんですけど(笑)」。所属する二所ノ関部屋には熱烈な同士がいる影響で、今でも部屋のテレビで試合を観戦。今季の岡田阪神の戦いぶりに「ピッチャーがすごい。甲子園からパワーをもらっています」と目を細めた。
前回リーグVの2005年は当時5歳で、あまり覚えていないという。軽い足取りで支度部屋を後にし「今日たぶん優勝してくれるので楽しみ。目に焼きつけたい」と“アレ”達成の瞬間を待ち望んだ。
◆大の里泰輝(おおのさと・だいき、本名中村大輝)2000年6月7日、石川県津幡町出身。小1から相撲を始める。日体大では1年時に学生横綱、3、4年時にアマチュア横綱に輝くなど個人タイトル14冠。23年夏場所で幕下10枚目格付け出しで初土俵。192センチ、176キロ。得意は突き、押し、右四つ、寄り。趣味は高校野球などのスポーツ観戦。好きな食べ物は魚。好きな言葉は「信は力なり」。家族は両親と妹。