ラグビーW杯 日本代表手応え1敗ジョセフHC「イングランド驚かせた」 前回準V相手にノートライもスクラム互角に押した

 前半、タックルするリーチ(右手前)=共同
 試合後、ファンの声援に応えるリーチ(共同)
 イングランドに敗れ、ファンにあいさつする日本代表の選手たち(共同)
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 「ラグビー・W杯・1次リーグD組、イングランド代表34-12日本代表」(17日、ニース)

 日本は前回準優勝のイングランドに後半途中まで善戦したが、12-34で敗れた。対戦成績は日本の11戦全敗。競技発祥地の代表チームから歴史的初勝利はならなかった。前半はスクラムで互角に渡り合い9-13で折り返すも、後半に3トライを奪われて突き放された。日本は1勝1敗で勝ち点5のまま。次戦は28日(日本時間29日)にサモアと対戦する。イングランドは2連勝で勝ち点9とした。

 歴史的勝利はならなかった。ノーサイドの瞬間、悲嘆に暮れた日本のフィフティーン。だが悲観する敗北ではない。強豪イングランドに真っ向勝負で挑み、後半途中には1点差まで追い詰めた。

 特に前半のスクラムは互角以上だった。開始1分。自陣のインゴール手前でいきなりのファーストスクラムだったが、押されることなくしのいだ。ジョセフHCは「イングランドを驚かせた。われわれの強みだった」と手応えを口にした。

 昨年11月の対戦では最初3本のスクラムで反則をとられるなど流れを奪われた。「あの対戦が大きかった」と長谷川スクラムコーチ。徹底的にイングランドの組み方を分析し、自分たちの弱点と思われた部分を修正した。

 大会前の合宿では「プリウスより安い」という数百万円のスクラムマシンを導入した。基板のコンクリート1・6トン、水入りタンク1トンなど総重量2・8トンで、空気圧を利用して押し返してくる最新式。稲垣が「動いたことがない」という“最強の相手”に重ねた練習の成果が示された。

 ただ、終盤に地力の差が出た。12-13で迎えた後半16分の自陣ゴール前、相手の頭に当たったボールが前方のスペースに落ち「ノックオン」とセルフジャッジした日本選手の足が止まった。「スイッチオフしてしまった」とSH流。諦めずゴールを目指した相手とは対照的だった。ビデオ判定の結果、ローズのトライは認められた。競技規則でノックオンは「手または腕」に当たって前方にボールが進むなどと定義されているため頭はノーファウル。不運なトライで、追い上げムードは断ち切られた。

 日本はこれで1勝1敗。日本歴代最多W杯通算15試合目で、歴代2位82キャップ目だったフランカーのリーチは「自信はついてきている。落ち込む時間はない」と言えば、CTB中村は「まだ終わったわけではない」と前を向いた。2連勝で1次リーグを突破してみせる。

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