“世界最強女子”須崎優衣が4度目世界一 4年前の失意経て自力でパリ五輪切符「2連覇に人生懸ける」海外選手に86連勝
「レスリング・世界選手権」(20日、ベオグラード)
女子50キロ級決勝が行われ、東京五輪金メダルの須崎優衣(24)=キッツ=がモンゴル選手に10-0でテクニカルスペリオリティー(旧テクニカルフォール)勝ちし、2年連続4度目の世界一に輝いた。来夏のパリ五輪代表も決めており、日本時間21日に自身のX(旧ツイッター)で「世界チャンピオンになってパリオリンピック出場権を勝ち獲ることができました。11カ月後、パリオリンピックで金メダルを獲得して二連覇を達成できるよう、人生を懸けて生きていきます」と決意をつづった。
世界ランク1位の圧倒的女王が、決勝で圧巻の強さを見せつけた。開始50秒で先制すると、そこからグラウンドで完璧なアンクルホールドをがっちり決めて3回転。続けて、片足タックルを決めて10-0。わずか90秒で決着をつけ、笑顔で人さし指を突き上げて歓喜に浸った。
須崎は17、18年と世界女王に輝いたが、東京五輪の国内予選で敗れて19年世界選手権に出られず、自力での五輪は一時消滅。その後、奇跡的に復活したチャンスをものにして東京五輪で金メダルに輝いた。誰よりも苦しい経験をしているだけに「9月の世界選手権で人生が決まると思っている。東京五輪では(世界選手権で)自力でつかめなかったので、今回こそは絶対に何が何でも優勝して自力でちゃんと(五輪切符を)つかんで、五輪で金メダルを取って2連覇したい」と決意を語っていた。
今回、右膝にサポーターをつけるなど万全のコンディションではなかったものの、他国のライバルを寄せ付けず、これで海外選手には無傷の86連勝。試合前、世界レスリング連合(UWW)の公式Xが「いよいよ須崎ショーが始まります。パウンド・フォー・パウンドの世界トップ女子レスラーがまもなくマットに上がる」と表現したように、名実ともに世界最強女子として来夏2連覇に挑む。