ウルフ・アロン アジア大会準々決勝で反則負け 不可解ジャッジに“Why?”技掛けたタイミングで指導宣告
「アジア大会・柔道」(26日、杭州)
男子100キロ級準々決勝で、東京五輪金メダルのウルフ・アロン(27)=パーク24=はシャルハン(カザフスタン)と対戦し、4分16秒、指導3つによる反則負けで敗退し、敗者復活戦に回った。審判の不可解なジャッジにも翻弄され、後味の悪い敗戦となった。
相手選手はウルフに組まれるのを嫌がり、組み際の浅い担ぎ技を連発しながら、指導狙いの戦術。ウルフはまともに組むことができないまま、先に2つ目の指導を取られてしまい、さらに本戦残り9秒で3つ目の指導が入って「反則負け」が宣告された。不明瞭なジャッジにウルフは首をかしげ、コーチボックスの百瀬優コーチも“Why?”とばかりに両手を広げたが、すぐに主審が指導を取り消し、試合再開。本戦が終わる際も何らかの映像確認が行われたが、ノースコアで延長戦に突入した。
不穏な空気が漂う中でゴールデンスコアに突入したが、相手の背負い投げの掛け終わりにウルフが大内刈りに3度入り、掛けつぶれたところで「待て」がかかった。しかし、ここで審判団からの指示で再びウルフの消極姿勢に対する3つ目の指導が宣告されてしまい、今度は取り消しもなく「反則負け」が確定。自分が技を仕掛けた不可解なタイミングでの指導決着とあって、ウルフはぼうぜんと主審と審判団とコーチボックスを見渡し、百瀬コーチも“なぜ?”と両手を広げて笑うしかなかった。
ウルフは東京五輪後の休養を経て22年から復帰したが、以降はこれで国際大会は5戦連続でV逸となり、完全復活は持ち越し。今大会は、全日本柔道連盟(全柔連)が代表選考の対象としていないものの、12月のグランドスラム東京大会でパリ五輪代表入りを懸けるウルフとしては、後味の悪い結果となった。