ラグビー日本代表負ければ自力突破消滅の一戦 本来目指す攻撃をできるか W杯1次リーグのサモア戦展望
「ラグビー・W杯・1次リーグD組、日本代表-サモア代表」(28日、トゥールーズ)
ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組の日本代表は28日(日本時間29日)に1勝1敗同士となるサモア代表戦(トゥールーズ)を迎える。負ければ自力での決勝トーナメント進出が消滅する一戦で確実に勝利を目指す。
第2戦ではスクラムで押し込み、前半こそ互角に戦った。だがトライのチャンスをミスによってつぶし、後半に崩れて差を広げられた。先発FWはメンバー変更がなく、イングランドとも互角に組んだスクラムを再び期待できる。
バックスでは負傷離脱したFBマシレワに代わって、レメキがスタメンに名を連ねた。イングランド戦では急きょ前半6分からの出場だったにもかかわらず存在感を見せ、トライ寸前まで持っていった場面があった。ジョセフHCも「また同じようなプレーをできると確信しています」と迷いなくスタートから起用することでゲームコントロールだけでなくフィニッシャーとしての役割も託した。
サモアはボールキャリーのところでフィジカルの強い選手をぶつけてくる。日本がそこを止められるかは守備でのカギとなる。ただ、フィジカルの強化は合宿から取り組んでおり十分対応できるはずだ。その上でイングランドほど力の差はなく、攻撃では目指してきた本来のスピードを持って展開する戦い方ができれば、ボーナスポイントを得られる4トライ以上も見えてくるだろう。
日本にとって7月のテストマッチではフランカーのリーチが前半で退場した影響もあって22-24と敗れた相手。そこから先発5人を変更した一方、サモアは10人近くを入れ替え、互いに2カ月前とは“違うチーム”となっており、戦術も変わる可能性はある。
それでも、日本は本大会に入ってからある程度メンバーを固定して3戦目を迎え、チームとしては成熟に向かっている。世界ランキングでは同格の相手にセットプレー、組織力で上回り、常に得点を先行することでいかに主導権を握り続けるかも重要になる。
サモアとは15年からW杯3大会続けて1次リーグ第3戦での顔合わせとなる。通算では5勝12敗と負け越しているものの、本大会に限れば2連勝中。さらに日程的には相手の「中5日」に比べて「中10日」と準備期間と休養は十分で臨む。ナンバー8姫野は「サモアのレベルは上がってきている」と認めつつ、「しかし、私たちにはこの試合に勝つゲームプランがある。それを信じて100%遂行する自信がある」と力を込めた。