ラグビー日本8強王手 リーチ大暴れ!姫野&ラブスカフニとFW第3列トライ競演

 今大会2トライ目を決めた日本代表・リーチ(右)=日本ラグビー協会提供
 前半、攻め込むリーチ
 前半、トライを決めるリーチ
3枚

 「ラグビー・W杯・1次リーグD組、日本代表28-22サモア代表」(28日、トゥールーズ)

 日本代表(世界ランキング13位)はサモア代表(同12位)に28-22で勝利した。1次リーグD組で2勝1敗とし、2大会連続8強へ王手をかけた。試合はフランカーのリーチ・マイケル(34)=BL東京=の今大会2トライ目や、フランカーのピーター・ラブスカフニ(34)=東京ベイ=と主将のナンバー8姫野和樹(29)=トヨタ=の2大会連続トライで激戦を制した。第4戦のアルゼンチン戦(10月8日)に勝てば、無条件で決勝トーナメント進出が決まる。

 力強かった。FW第3列の3人が1トライずつを挙げ、負けられない一戦で6点差まで追い上げてきたサモアを振り切った。リーチの暴れぶりは止まることなく、10-3の前半32分には松田から大外でラストパスを受け、インゴールに飛び込んだ。今大会自身2トライ目を奪い、チームを勢いに乗せた。

 「ギリギリだったけど勝ててよかった。(自分のトライは)チームワークのトライでボールを置いただけ。この勝利は大きい」

 選考の中でも激戦だった同ポジションを勝ち抜いた精鋭。同13分にラブスカフニ、後半9分には姫野がトライを決め「FWの身分としてはすごくうれしい」(姫野)と3人が期待に応える大仕事を遂げて、日本を1次リーグ突破へ前進させた。

 特にリーチは自身の日本代表W杯最多出場記録を16に伸ばした。守備面でも試合終了時点で今大会通算最多49タックルのトップに立った。ヘッドキャップに刻まれた「JM」の文字。W杯直前に離脱した戦友で「タックルの鬼」の異名をとるジェームス・ムーア(浦安)の魂が宿ったかのよう相手を止め続けた。

 大学生の頃から際立っていた。元日本代表のFW斉藤祐也氏は豊田自動織機での現役時代、リーチが在学する東海大と合同練習をした時に衝撃を受けた。「社会人と大学生では力の差があるが、唯一(タックルで)われわれを止めていた学生がリーチだった」。当時はまだ体が細かったと言うが、世界トップになるポテンシャルは十分秘めていた。

 リーチが代表デビューした08年当時は、日本がW杯で勝つことは当たり前ではなかった。それでも20歳だった15年前から世界と対等に戦えることを信じてきた。「日本は世界で勝てるんだ」。普段は無口でも先輩の大野均らに連れられて、お酒を飲みに行けば熱く語った夢を現実とした。

 リーチにとって本大会前の7月に、一発退場処分となって敗れた相手にリベンジ。スピード感あふれるつなぐラグビーもよみがえってきた。「勝って自信がついた。次の試合は負けられない」。運命のアルゼンチン戦へ全てを懸ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス