アジア大会銀の早田ひな、初の五輪切符確実に ポイントぶっちぎりも目標は金メダル 世界女王に苦杯「あと1年で超えなきゃ」
「アジア大会・卓球」(1日、杭州)
女子シングルス決勝が行われ、世界ランク9位の早田ひな(23)=日本生命=は同1位で世界女王の孫穎莎(22)=中国=に1-4で敗れた。日本勢では1994年広島大会で優勝した小山ちれ以来29年ぶりの金メダルはならなかったが、殊勲の銀メダルを獲得。今大会の結果でパリ五輪切符もほぼ確実にし、目標に定める来夏の金メダルに向けて弾みをつけた。
早田の初の五輪切符が決定的となった。日本協会が設定しているパリ五輪代表選考ポイントで首位を独走しているが、今回のアジア大会準優勝で60点を加算し、合計700・5点に到達。シングルス代表切符は2枠で、現在409・5点で3番手につける伊藤美誠(スターツ)が残り2大会を全て優勝しても早田を超えることはなく、今年中に中国トップ3を倒した際のボーナスポイントを量産する可能性を除けば、早田の2位以上は確実となった。
早田は21年東京五輪は落選したものの、代表補欠として大会に帯同。翌22年から始まったパリ五輪代表選考レースでは、第1回大会優勝を皮切りに、国内対象大会は8戦中5戦を優勝し、全て4強以上と圧倒的な成績でトップを独走している。
五輪切符をほぼ手中に収めていたが、アジア大会前には「自分の中ではパリ五輪に出たときにどういった状態で戦えるかを逆算して今やっている。五輪に出ることは前提として、全てを(金メダルへの)通過点として、1日1日を大切に糧にしてやっていきたい」と、あくまで打倒中国を主眼に置いてきた。
今回のアジア大会では準決勝で世界ランク4位の王芸迪(中国)を破り、日本勢29年ぶりの決勝進出。過去9戦全敗だった孫穎莎には今回も苦杯を喫したものの、「五輪のような4年に1度の試合でエースとして緊張もあったが、自分がやってきたことを出すことができて結果につながった。(パリ五輪まで)あと1年でここ(孫穎莎)を超えなきゃいけないと思うと時間がないが、1日1日を大切に努力していくしかない」と、来夏を見据えて糧にしていた。
◆パリ五輪代表選考ポイント女子上位5人(杭州アジア大会終了時点)(1)早田ひな=700・5点
(2)平野美宇=430点
(3)伊藤美誠=409・5点
(4)木原美悠=268点
(5)佐藤瞳=230点
◆卓球のパリ五輪への道 日本協会が国内選考会を中心に独自に設定したポイント合計で争うパリ五輪代表選考は、来年1月の全日本選手権終了時点での上位2人がシングルス代表候補に決まる。残る対象試合は、第6回パリ五輪代表選考会(11月・大阪)=優勝100点、全日本選手権(来年1月・東京体育館)=優勝120点=の2大会。また、年内のTリーグ個人成績が加算される他、国際大会で中国トップ3に勝利した場合はボーナスポイントが入る。 ◆早田ひな(はやた・ひな)2000年7月7日、福岡県北九州市出身。4歳から地元の石田卓球クラブでラケットを握った。幼少期から頭角を現し、小学5年の全国大会で優勝。16年オーストラリア・オープンでワールドツアー初制覇。全日本選手権は20年大会でシングルス初制覇、23年大会は3冠を達成。左シェークドライブ型。167センチ。