橋本大輝 内村以来の個人総合V2 重圧はねのけ勝ちきる
「体操・世界選手権」(5日、アントワープ)
男子個人総合決勝が行われ、東京五輪金メダリストの橋本大輝(22)=順大=が6種目合計86・132点で史上4人目の2連覇を果たした。2009~15年大会まで6連覇した内村航平以来で、日本勢としては2人目。初代表で予選1位の千葉健太(セントラルスポーツ)は83・464点で4位だった。
最終種目の鉄棒で優勝を決定づける着地を決めると、橋本は「よかったぁ」と安堵(あんど)の声をもらした。過去2年、金メダルを争った張博恒(中国)が不在。勝って当然と目される中、東京五輪と合わせて3度目の世界一に輝いた。
最初の床運動で着地が大きく乱れて出遅れると、一気に集中力を高めた。他選手の演技中は羽織った上着のフードをかぶり情報を遮断。15・000点を出した跳馬での高さと距離のある雄大な跳躍、平行棒の流れるような技さばきなど、床運動以外の着地は全て止めた。
プレッシャーとの向き合い方は「心休まる日がなかった」という東京からの2年間で学んできた。五輪を含めて8年連続世界一の内村航平の後継者と期待され「何をやっても比較される」日々。大会出場中に眠れなくなったこともあった。
史上4人目の快挙を達成し「毎年自分を超えていくことが、自分に一番合っている」と実感を込めた。次は五輪2連覇へ。戦い続けて見いだした王者の道を突き進む。