札幌五輪招致 34年以降目指すも茨の道 34年は米ソルトレイクC有力 秋元市長「かなり厳しい」 東京五輪に恨み節「市民の不信感増大」

 札幌冬季五輪の2030年招致断念を表明した札幌市の秋元克広市長
 都内で会見し、札幌五輪の2030年招致断念を表明したJOC山下会長
 2030年冬季五輪・パラリンピックの招致断念を表明する、札幌市の秋元克広市長(左)とJOCの山下泰裕会長
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 札幌市の秋元克広市長と日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が11日、都内で記者会見を開き、札幌市が招致を目指していた2030年冬季五輪を断念し、34年大会以降の招致を目指す意向を表明した。JOCが札幌に招致断念を打診し、市が受け入れる形で決着した。

 山下会長は「JOCと札幌市はこれまで2030冬季大会の招致を目指してきたが、昨今の状況を踏まえて協議した結果、2030年大会の招致活動を中止し、2034年大会以降の冬季大会の開催の可能性を探ることに変更することにした。現段階においても住民の理解を十分に得ているとは言いがたく、拙速に招致活動を行うことは五輪、パラリンピック、スポーツが持つ価値そのものに傷を負わせてしまう」と、説明した。

 札幌市の招致活動を巡っては、東京五輪・パラリンピックの汚職、談合事件の影響もあり、地元の支持が伸び悩んでいた。当初は26年大会の招致を目指していたが、18年の北海道地震を受けて目標を30年大会に切り替えていた。

 秋元市長は「東京五輪で五輪への不信感が増大した。市民から依然として懸念と不安の声があり、十分理解が広がったとはいえない。2020大会の様々な事案による、大きな不信感、不安があったと思う。東京大会の経費増大で、市民の負担という面もなかなか理解を得られない状況にあったかと思う」と、事実上の決定打となった東京五輪スキャンダルへの“恨み節”も漏れた。「JOCとともに将来の大会の可能性を探るということは強調したい。改めて精査しながら、機運情勢に取り組む。しかるべき時期に民意の確認を行う」と、今後への意欲をみせたが、34年以降も厳しい戦いとなる。

 すでに招致に手を上げている米・ソルトレイクシティが優位との下馬評で山下会長は「我々も34年に関しては、ソルトレイクが有利というのは認識しております。素晴らしい競技会場を準備し、支持率も高い」と認め、秋元市長も「(30年は)札幌にチャンスがあった時期はあった。非情に残念」と無念さを滲ませ、「海外情勢、状況見極めて、かなり厳しいという認識のもとで、今後の活動について精査していかないといけない」と、見解を示した。

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