【15日MGC展望】大迫リベンジ狙う 女子は一山vs鈴木vs前田の三つどもえ 五輪“一発内定”決めるのは誰?
24年パリ五輪代表選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)は15日、国立競技場発着(男子8時、女子8時10分スタート)で行われる。男女の五輪代表枠は各3人で、2位以内に入れば五輪代表に“一発内定”で決定する。21年東京五輪代表選考として19年9月に第1回が開かれ、今回が2度目の開催で男子が61人、女子24人が出場。大一番を前に激戦必至のレースを展望する。
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栄光を手にするのは誰か-。男子の注目は東京五輪マラソン6位入賞で元日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)と、マラソン日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)の“新旧日本記録保持者”の2人だろう。
大迫は21年東京五輪で一度現役を引退したが、22年2月に復帰を発表。同年6月に5000メートルで復帰レースに臨み、11月にニューヨークシティーマラソンでマラソンに復帰した。23年3月の東京マラソンでは、日本人3位の9位と高い実力は健在。前回大会は3位で一発内定を逃しただけに、今大会できっちり代表の座を射止める。
鈴木は昨年7月の世界選手権を新型コロナ感染で欠場。その後もけがなどに苦しみ、レースから遠ざかっていた。今年6月、昨年3月以来のレースとなるハーフマラソンに臨み7位。鈴木の復調度合いが五輪切符の行方を大きく左右しそうだ。
女子の注目は東京五輪代表の3人。東京五輪8位入賞で、鈴木健吾の妻の一山麻緒(ワコール)は昨年末に肋骨を疲労骨折。今年3月の東京マラソンは悔しさが残る14位だったが、「MGCで絶対に優勝して、パリオリンピックを決めたい」と強い決意を示した。自己記録は参加選手でトップ。夫婦で五輪切符をつかみ取れるか。
東京五輪19位の鈴木亜由子(日本郵政)は3月の名古屋ウィメンズで自己ベストを出して日本勢最高の2位に入った。同33位の前田穂南(天満屋)は五輪後に新型コロナ感染、故障、厚底シューズへの対応に苦戦したが、名古屋ウィメンズで3位に入るなど調子を取り戻している。経験豊富な実力者が再び夢舞台を目指す。
号砲まで、あと2日。13日には記者会見が行われ、いよいよ“本番モード”に突入する。最後に笑うのは誰か-。運命の大一番から目が離せない。(デイリースポーツ陸上競技担当・田中亜実)