赤崎2位 遅咲きの苦労人「夢がかなってよかった」 過去2度の終盤失速→練習量増で克服
「マラソングランドチャンピオンシップ」(15日、国立競技場発着)
男子は小山直城(27)=ホンダ=が2時間8分57秒で優勝、赤崎暁(25)=九電工=が2時間9分6秒で2位となり、ともに初の五輪切符を獲得した。
伏兵がパリ切符をもぎ取った。2位でゴールした赤崎が、グッと拳を握った。夢だったマラソン日本代表の座。「夢がかなってよかった。うれしさが爆発してしまいました」と笑みがはじけた。
2位集団でレースを進め、大迫をマーク。40・5キロ地点で前に出ると、最後はトラック勝負で猛追する大迫に「ちょっと怖かった」と後方を確認しつつ、冷静に振り切った。過去2度、35キロ以降に失速した反省から、3カ月の練習量を300~400キロ増やした成果がラストに出た。
バレー部だった中学1年時、町のマラソン大会で優勝。陸上部の監督に頼まれ、3年時まで毎日朝練だけ出続けたことが陸上との出合いだった。「楽しむ」が座右の銘。「正直陸上ってキツいけど、その中で楽しむことが大事。自分は練習でも笑いながら楽しんで走っている」と哲学を明かした。
九電工からはメキシコ大会の佐々木精一郎以来56年ぶりとなるマラソンの五輪代表。鍛錬の日々も楽しみながら、五輪という最高の舞台へ向かう。
◆赤崎 暁(あかさき・あきら)1998年1月21日生まれ。熊本県大津町出身。大津中1年から陸上を始める。開新高3年時に全国都道府県駅伝4区10位。16年から拓大に進学。箱根駅伝は1年から4年連続で出場。社会人2年目からマラソンを始め、デビュー戦だった22年の別府大分で2時間9分17秒。自己ベストは同年12月の福岡国際で記録した2時間9分1秒。九電工所属。170センチ、53キロ。