南アフリカ連覇で4度目のW杯優勝 単独史上最多V W杯決勝で負けなし継続

 「ラグビーW杯フランス大会・決勝、南アフリカ代表12-11ニュージーランド代表」(28日、サンドニ)

 決勝が行われ、南アフリカがニュージーランドを12-11で振り切り、2大会連続で単独史上最多4度目の優勝を果たした。2連覇は第8回までのニュージーランドに続いて2チーム目。ニュージーランドは2大会ぶり4度目の頂点を逃した。1大会最多に並ぶ8トライを挙げたニュージーランドのWTBジョーダンがトライ王に輝き、イングランドのバックスのファレルが75得点で得点王となった。次回2027年大会はオーストラリアで開催され、出場チームは4増の24に拡大する。

 多言語多人種の「虹の国」の期待を背負って体を張り続けた選手は、激戦を制すと飛びついて固く抱き合った。南アフリカの連覇を引き寄せたのは伝統の堅守。優勝杯を掲げたフランカーのコリシ主将は「スポーツだけでなく人生でも団結すれば不可能はない。それを示すことができた」と誇らしげだった。

 チームで唯一フッカーを本職とするムボナンビが序盤に負傷交代するアクシデントも乗り越えた。代役で出たフーリーは21回のタックルで活躍。28回だった身長2メートルのフランカー、デュトイを筆頭に動き回り、タックル回数は相手の2倍以上の208回を数えた。

 アパルトヘイト(人種隔離)政策でつくられた旧黒人居住区出身のコリシは「ここにいることを夢見ることすらできなかった」と語る。貧富の差など問題を抱える国の希望となり、準々決勝、準決勝に続いて1点差の勝利。W杯決勝で負けなしという勝負強さを受け継ぎ、CTBクリエルは「(自陣の)22メートルラインの後ろには家族、そして母国がいるんだ」と豪語。世界一の称号を守り抜いた。

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