ハンドボール男子 35年ぶり自力五輪切符 指揮官キッパリ「われわれはアジアのベストチーム」
「ハンドボール・パリ五輪男子アジア予選・決勝、日本32-29バーレーン」(28日、カタール)
決勝が行われ、日本は32-29でバーレーンに勝ち、開催国枠以外では1988年ソウル五輪以来の出場権を獲得した。18-13で折り返し、後半は中村匠(豊田合成)らGKが好セーブを連発するなど堅守が光り、攻撃では司令塔の安平光佑(RKバルダル)が軸となり、得点も量産した。日本は開催国枠で出場した東京五輪は1勝4敗の11位に終わった。五輪出場1枠を争った今大会は1次リーグを4戦全勝で突破。決勝で1次リーグに続いてバーレーンを退けた。
日本の3点リードで迎えた試合終了間際、GK中村がシュートを阻止すると雄たけびを上げた。五輪出場が決まると、コートになだれ込み涙を流しながら抱き合った。2017年から率いるシグルドソン監督は「今現在、われわれはアジアのベストチーム。この瞬間はそのことを堪能しましょう」と喜んだ。
守備から流れをつかんだ。GKが奮闘し、坂井(大崎電気)は顔面でシュートを防いで阻止。中盤にも中村が7メートルスローを左脚で止め、こぼれたボールからのシュートも再び食い止めた。
1次リーグで敗退した東京五輪の雪辱を期す。監督は大学生を代表合宿に積極的に呼び、若手の底上げにも注力してきた。東京からの主力メンバーに加え、現在は欧州クラブで腕を磨く23歳の安平ら海外組も融合させた。今回は身長190センチ台の選手を8人も招集。大型で屈強な選手をそろえて継続的に強化を進め、パワーに優れる中東勢を力でもはね返した。
日本リーグの湧永製薬でプレー経験がある元アイスランド代表主将の監督は、日本の持ち味のスピードを生かした攻撃も戦術に溶け込ませた。安平は7メートルスローも全5本を決め、チーム最多の10得点でけん引した。
アジア予選を1位で突破するのは1984年ロサンゼルス五輪以来。6戦全勝でアジアを勝ち抜いた日本がパリで世界に挑む。