36年ぶり自力五輪のハンドボール代表、報奨金1000万円に協会「借金してでも」会長は規程知らずも“うれしい悲鳴”

 男子代表のパリ五輪切符獲得会見に出席した、日本ハンドボール協会の金丸恭文会長
 36年ぶりに自力での五輪切符を獲得し、会見したハンドボール男子代表の主将・東江雄斗
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 ハンドボール男子のパリ五輪アジア予選で優勝し、36年ぶりに自力での五輪出場権を獲得した日本代表が帰国から一夜明けた30日、都内で記者会見した。日本協会の規程では、五輪出場権を獲得した場合、代表チームに報奨金1000万円を授与することが明記されている。金丸恭文会長は7月に就任したばかりとあって「知らなかった」と困惑しつつ、「専務理事からは『(財政が)赤字だ、赤字だ』と言われているが、(それでも)規程に書いてあるんだったら借金してでも払いたい。規定に沿って喜んで払う」と笑った。

 この報奨金規定が施行されたのは2005年8月で、競技関係者が願ってきた年月の積み重ねを物語る。1988年ソウル五輪を最後に五輪予選を突破することができなかったが、ようやく悲願がかなった瞬間だけに、思わぬ“臨時支出”も協会としてもうれしい悲鳴だ。金丸会長は「お金の問題じゃない。36年間(自力で五輪に)出られず、強化費も年々減らされてきた。少ない予算の中でも(五輪切符を)獲得したので、堂々と上位団体(JOCなど)にも(強化費を)申請したい」と語った。

 今回のアジア予選では、海外でプレーする若手とベテラン勢が融合し、韓国や中東勢などの強豪を撃破して頂点に立った。主将の東江雄斗(ジークスター東京)は「たくさんの方に会見に来ていただき、優勝した実感が湧いてきた。(36年間)悔しい思いをしてきた先輩たちの気持ちも晴らすことができてうれしい」と感慨深げ。来夏に向けては「(開催国枠出場の)東京五輪では予選リーグ敗退という悔しい思いをしたので、まずは予選リーグ突破、ベスト8を目指す。そこからメダルに挑戦する」と決意を込めた。

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