柔道で“虎”が日本一!植岡虎太郎、講道館杯Vで来夏「アレ」に望み「岡田監督のマネして」パリ五輪は口にせず 名前由来も阪神

 延長戦の末、一本勝ちして講道館杯を連覇した植岡虎太郎
 講道館杯で男子100キロ級を制した植岡虎太郎
2枚

 「柔道・講道館杯全日本体重別選手権」(5日、千葉ポートアリーナ)

 男子100キロ級決勝が行われ、前年王者の植岡虎太郎(こたろう、23)=日本製鉄=が、90キロ級から転向の増山香補(パーク24)に延長戦の末、11分55秒背負い投げで一本勝ちし、2連覇した。パリ五輪代表選考会を兼ねるグランドスラム(GS)東京大会(12月2~3日・東京体育館)の出場権をつかみ取り、逆転での五輪切符に望みをつないだが、「GS東京で優勝したら次が見えてくると思うので、とにかく目の前の戦いを頑張りたい。(五輪は)口に出さない方が叶うのかな」と、あえて言及せず。来夏の“アレ”に向けて、しっかりと次戦だけに照準を合わせた。

 柔道界の“猛虎”が一足早く日本一に輝いた。決勝は増山との根性勝負となったが、延長に入ってからも前に出て技をかけ続け、最後は低くしゃがみ込みながらの背負い投げで一本決着。両者ノースコアの均衡を崩し「キツかったが、我慢強く戦えた」と安堵(あんど)の笑みをこぼした。

 福岡出身ながら、母が熱狂的な阪神タイガースファンのため「虎太郎」と名付けられ、自身も生まれながらの虎党。この日、阪神の38年ぶりの日本一が懸かる日本シリーズ第7戦を前に自身の戦いを終え、「今日6時半から(プレーボール)なので、ちょっと急いで(帰って試合を)見ます」と声を弾ませた。

 現在、男子100キロ級のパリ五輪代表争いは混迷状態。世界選手権代表の飯田健太郎(旭化成)がわずかにリードし、東京五輪金メダルのウルフ・アロン(パーク24)が追う構図となっているが、日本勢4人が同時出場する国際大会のGS東京大会で優勝を飾れば、逆転でのアレ=五輪切符の可能性も残る。

 ただ、五輪代表争いについて報道陣に聞かれても、植岡は「そういうことはあまり意識せず、(次戦で)勝ってから見えてくるかなと。(頭の)片隅にだけって感じです」と、あくまで自身の口からは「オリンピック」の6文字を出さず。阪神は岡田彰布監督が「アレ」と優勝を意識しないように表現しながら18年ぶりのリーグ制覇を成し遂げたが、植岡も「あまり(大目標を)口に出さない方が叶うのかな。もちろん、そこは岡田監督のマネをしてやっています」と明かし、笑いを誘った。

 とはいえ、柔道家なら誰もが虎視眈々と狙っているのが五輪の夢舞台。日本男子の鈴木桂治監督は、100キロ級の代表選考について「(GS東京は)海外選手のエントリーのレベルもすごいので、もし優勝すれば大きな印象になる」と述べ、3番手の植岡の逆転切符の可能性についても「(状況次第で)そうせざるを得ない可能性もゼロではない。(世界との戦いで)非常に厳しい階級なのは承知している」と語った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス