高木美帆 1500m17勝目 満員地元リンク大拍手 姉・菜那さん、兄も会場に「良かったなと思う」
「スピードスケート・W杯」(11日、明治北海道十勝オーバル)
女子1500メートルで世界記録保持者の高木美帆(29)=TOKIOインカラミ=が1分54秒54で優勝した。この種目で通算17勝目、1000メートルなどと合わせ21勝目。男子1500メートルは山田将矢(ウェルネット)が1分45秒57で制した。この種目の日本勢で1997年1月の白幡圭史以来、27季ぶり3人目の頂点となり、10日の1000メートルとの2冠。団体追い抜きは堀川、高木、佐藤綾乃(ANA)で臨んだ女子の日本が2分58秒03で4季ぶりの優勝。男子の日本(一戸、佐々木、土屋陸)は4位だった。
満員で埋まった地元のリンクから大きな拍手を浴びた。10日の女子1000メートルは2位だったエースが本領を発揮。高木は本職の1500メートルで自身の持つリンク記録に迫るタイムで優勝した。約1時間後の団体追い抜きも制し「強い気持ちで挑めた」とうなずいた。
1500メートルでは今季から新たに結成したチームに加わる中国選手と同走。序盤から飛ばし、中盤以降も必死に足を運んだ。「爆発的なタイムというわけではなかったが、最低限のことはできた」と自らに及第点を与えた。
ナショナルチームを離れた昨季は個別での強化に限界を感じ、海外選手も含めた「チーム・ゴールド」を立ち上げた。新体制で臨む初の国際大会で表彰台に立つ仲間もおり「ここからどんどん良くしていきたいと、みんな思ってるだろうなと感じている」と中心選手の顔をのぞかせた。
帯広南商高時代の友人や姉の菜那さんも会場に訪れた。兄は場内アナウンスを担当。周囲の支えに金メダルで応えてみせ「スケートの評価とはまた別のところで、良かったなと思う」と悦に入った。