友風1513日ぶり幕内白星 4度の手術、右膝大けが乗り越え 中村親方「おかえりなさい」

 宝富士(右)を押し出しで破った友風=福岡国際センター(撮影・和田康志)
 4年ぶりの幕内勝利に感慨深げな表情を見せる友風(撮影・和田康志)
2枚

 「大相撲九州場所・2日目」(13日、福岡国際センター)

 4年ぶりに再入幕した友風が、宝富士を押し出して初日を出した。4度の手術を伴う右膝の大けがを乗り越え、19年秋場所千秋楽以来、1513日ぶりとなる復活の幕内勝利を挙げた。2場所連続優勝を目指す貴景勝は正代を退け、豊昇龍と霧島もそろって3大関が連勝した。琴ノ若、大栄翔、若元春の3関脇も白星を挙げて、上位陣は安泰だった。

 万雷の拍手と歓声が友風を包んだ。花道では苦しい期間を支えてくれた中村親方(元関脇嘉風)が迎える。「おかえりなさい」。1513日ぶりの幕内白星に、土俵上で崩さなかった表情が思わず緩んだ。「うれしいです」。苦難の4年間を短い言葉でかみしめた。

 2019年九州場所2日目に悲劇が襲った。琴勇輝戦で土俵下に転落した際に右膝の靱帯(じんたい)断裂、大腿(だいたい)骨の骨折など、右足切断の危機があるほどの大けがを負った。それから6場所を全休。4度の手術とリハビリを乗り越え、21年春場所から復帰。宇良以来史上3人目となる序二段から、23場所ぶりに幕内に返り咲いた。

 この日はくしくも九州場所2日目。「忘れられない」と語る“悪夢”も乗り越えた。宝富士を終始突き放して圧倒。「初日は頭が真っ白だったけど、(動画を)見返したら友風の名前が入ったタオルがいっぱいあって、こみ上げるものがあった。切り替えていい相撲が取れた」と好内容を振り返った。

 今でも右脚の感覚は鈍く、土俵上でつまずきそうになることもある。それでも土俵に上がり続けるのは支えてくれた人への感謝だ。「(けがの恐怖は)ずっと拭えないものと戦うことになると思う。それをしっかり受け入れて、一番一番で拍手と歓声をもらえる友風らしい相撲を取りたい」。この日の主役は、間違いなく友風だった。

 八角理事長(元横綱北勝海)(友風について)「よく戻ってきたよね。稽古も大変だけど、リハビリっていうのは一番大変。誰にも応援されないから。三役にまだなってないでしょ?それを目指して頑張ってほしい」

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス