大栄翔“埼玉パワー”で3連勝 故郷・埼玉県民の日に8連勝「めちゃくちゃ験いい」
「大相撲九州場所・3日目」(14日、福岡国際センター)
関脇大栄翔が平幕高安を押し出し、無傷の3連勝とした。11月14日は故郷・埼玉県民の日で、2016年から8連勝(19年は不戦勝)とし、2度目の賜杯へギアを上げていく。大関陣では、2場所連続優勝を目指す貴景勝が宇良を突き出して3連勝。霧島、豊昇龍も危なげなく勝った。番付に載った3大関全員が初日から3連勝としたのは、4大関全員を除けば1997年九州場所の武蔵丸、貴ノ浪、3代目若乃花以来26年ぶり。
故郷の血が騒いだ。大栄翔は高安のはたきを何度もこらえると、最後は力強く押し出し。「相手の動きについていけるように攻めた。自分の相撲が取れている」と大きくうなずいた。
11月14日は1871年の廃藩置県によって、“埼玉県”が誕生した記念日。朝霞市出身で埼玉栄高卒の大栄翔にとって、底知れぬパワーが湧き上がる。16年から8連勝中と相性は抜群で、それを伝え聞くと「めちゃくちゃ験いいじゃないですか」と頬を緩めて上機嫌。「埼玉から一歩も出たことがない人間として、うれしいですね」と誇らしげだった。
さらに今場所は越谷市出身の阿炎、所沢市出身の北勝富士がそれぞれ小結と、同一県出身力士3人が三役にそろう20年ぶりの珍事。埼玉県民に流れは来ている。大栄翔は「埼玉県を盛り上げられるように頑張りたいですね」。大関候補の実力者が、好日を味方に21年初場所以来2度目の賜杯も抱いてみせる。