一山本 3場所ぶり再入幕で 平幕唯一の全勝! 「先場所のいい相撲を続けてとろうと思っている」
「大相撲九州場所・6日目」(17日、福岡国際センター)
平幕の一山本が錦富士をはたき込み、自身初となる初日から6連勝。平幕ではただ一人の全勝となった。3場所ぶりの再入幕。はつらつとした動きで場所を盛り上げる。大関陣は豊昇龍が高安に屈して初黒星を喫し、霧島も豪ノ山に苦杯をなめて2敗目。貴景勝は翔猿を退け1敗をキープした。全勝は関脇琴ノ若と一山本の2人となり、1敗で貴景勝、豊昇龍ら5人が続く。
「六」まで数字を伸ばしてきた。一山本が、昨年夏場所の5連勝を上回る自己最長の初日から6連勝。報道陣にぐるりと囲まれ「まあ、うれしいんじゃないですか」と、どこか人ごとのように喜んだ。
何度も頭で当たって錦富士を攻めたが、押し切れずにはたいて形勢が逆転。一気に押し込まれたところでさらにはたいて、何とか相手を沈めた。
5日目までは前に出て攻める相撲。引いてしまう悪癖は出ず、師匠の放駒親方(元関脇玉乃島)にも「本当に山本か!?」と驚かれていた。この日は連勝を伸ばしたものの、ほめられない内容。「『やっぱり山本だったか』と言われる可能性はありますね」と、苦笑まじりに反省した。
3場所ぶりの再入幕。十両に転落した名古屋場所では左膝を負傷して途中休場も味わったが、そこから基礎を見つめ直して復調し、秋場所は13勝2敗で十両優勝。「先場所のいい相撲を続けてとろうと思っている」と話していた姿勢が好調につながっている。
中大から一度は地元・北海道で公務員となった後に角界入りした“脱サラ力士”。明るくトークも軽妙で、日に日に大きくなる今場所の声援には「出身地は真逆ですから」ととぼけ、周囲の笑いを誘った。
勝ち星を重ねるごとに、ネット上ではファンがしこ名を「三山本」、「五山本」と増やしていくのがお約束。「足踏みしないで勝てるように」と一山本。先場所の熱海富士に続き、再入幕からの快進撃を狙う。