機密費でIOC委員に贈答 東京五輪招致で 馳浩知事発言後に「全面的に撤回」

 石川県の馳浩知事が17日、都内の会合で講演し、2013年に開催が決定した東京五輪の招致活動で、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に対し、内閣官房報償費(機密費)を用いて贈答品を渡したと発言した。馳氏は同日夜「誤解を与えかねない不適切な発言であり、全面的に撤回する」とのコメントを出した。

 公表されていない機密費の使途に言及するのは異例。贈り物の授受が事実ならIOCの倫理規定に触れる可能性もある。

 自民党で東京五輪の招致推進本部長だった馳氏は、当時の安倍晋三首相から「必ず勝ち取れ」「金はいくらでも出す。官房機密費もあるから」と告げられたと講演で述べた。当時100人余りのIOC委員に対し、それぞれの選手時代などの写真をまとめた1冊20万円のアルバムを全員分、作成したと説明。「それを持って世界中を歩き回った」と話し、陸上男子棒高跳びで活躍したセルゲイ・ブブカ氏(ウクライナ)らに渡したとした。

 IOCは倫理規定で五輪関係者への贈り物の授受を禁じる一方、当時の招致ルールで、慣習的な「ごくわずかな価値の贈り物」は認めていた。

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