貴景勝 綱とり絶望的 まさかの前半で3敗目 粂川審判長「ちょっと厳しい」 軍配返らず痛恨連敗

 下手投げで貴景勝(右)を破った朝乃山(撮影・和田康志)
 朝乃山に敗れ、肩を落とす貴景勝(中央)(撮影・佐藤雄太朗)
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 「大相撲九州場所・8日目」(19日、福岡国際センター)

 2場所連続優勝を目指す大関貴景勝は、この日から途中出場した平幕朝乃山の下手投げに屈し、3敗目を喫した。ハイレベルな優勝が求められる今場所での綱とりは、絶望的となった。大関豊昇龍は錦木に小手投げで敗れて2敗目。関脇琴ノ若も正代に寄り切られ、2敗となった。平幕一山本が1敗を守って単独トップ。1差で大関霧島ら9人が続く。

 黒星の重みがずっしりとのしかかった。軍配通りに朝乃山の勝利がアナウンスされると、土俵下の貴景勝が顔をしかめた。痛すぎる連敗。綱とりの夢は、限りなく遠のいた。

 立ち合いから何度もぶつかったが、ケガ明けの朝乃山をなかなか押し込めない。左をのぞかせて何とか攻め込んだ土俵際で相手の左下手投げに体が泳ぎ、わずかに早く土俵に落ちた。物言いはついたものの、判定は覆らなかった。

 残り7日間を全勝しても12勝。求められるハイレベルな優勝は、もう望めない。しかも、ここまで喫した3敗はいずれも平幕相手。幕内後半戦の審判長を務めた粂川親方(元小結琴稲妻)は「連敗でしょ?内容も悪い。押していったと言っても黒星ですから」と辛らつ。横綱昇進の機運については「上っていうのはちょっと厳しい」と印象を述べた。

 秋場所は11勝での優勝だった貴景勝。過去には柏戸が直前2場所を11勝、12勝の合計23勝で綱とりを果たした例もある。また、1958年1月に横綱審議委員会で横綱昇進に関する内規が定められて以降、2場所連続優勝した大関の昇進が見送られた例はない。

 「いつも通り。あんまり(内容は)覚えていない」。そう取組を振り返った貴景勝は「明日から頑張るだけ」と声を絞り出した。逆転Vで生じるわずかな可能性を信じて、勝ち続けるしかない。

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