坂本花織 GP5勝目「今はほっとしている」 魅せた世界女王の意地 「今年こそ」ファイナル制覇へ
「フィギュアスケート・フィンランド大会」(18日、エスポー)
女子は坂本花織(23)=シスメックス=がショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位の合計205・21点で優勝した。GP2連勝で安藤美姫に並ぶ通算5勝目とし、シリーズ上位6人で争う12月のファイナル(北京)に進出した。SP2位の住吉りをん(オリエンタルバイオ・明大)がフリー3位の合計190・21点で自己最高の2位。河辺愛菜(中京大)は9位。最終第6戦のNHK杯(24、25日・大阪)を残して吉田陽菜(木下アカデミー)も初のファイナル進出を決めた。
8月から痛みが続く右足甲は「テーピングをしないと多分ジャンプは跳べない」と明かすほどの状況だった。苦境の坂本は細かなミスが重なり、技術点は2位。自己ベストに大きく及ばない得点ながら、ライバルも振るわず世界女王の面目は保った。自身初の同一シーズンGP2連勝に「今はほっとしている」と本音が漏れた。
2位住吉に1・04点の小差で迎えたフリー。「大きなミスをしたくない」と、滑りで本来は武器のスピードを緩めて体力の消耗を防いだ。サルコーが珍しく回転不足となるなど三つの3回転ジャンプで減点を受けた一方で、スピンとステップは全て最高難度のレベル4。表現面を示す演技点は1位と、地力の差でトップは譲らなかった。
シニア転向から7シーズン目となった23歳。第一線で戦い続けるダメージは大きく「体力はぎりぎり」という中、不屈の闘志でリンクに立ち続けている。次戦は、主要大会で唯一表彰台がないファイナルで、昨年は5位で涙した。「今年こそは優勝を目指したい」との言葉に力がこもった。