熱海富士 トップ並んだ 湘南乃海に快勝!2敗堅守 八角理事長が絶賛「若手らしくていい」
「大相撲九州場所・10日目」(21日、福岡国際センター)
平幕熱海富士が湘南乃海を撃破し、勝ち越しを決めた。2敗を守り、1敗だった一山本が敗れたことでトップに並んだ21歳。優勝決定戦で涙をのんだ先場所に続き、今場所も賜杯争いの中心になる勢いだ。大関陣では霧島が錦木を送り出して勝ち越しを決め、貴景勝、豊昇龍も白星を挙げて7勝目。2敗で霧島、琴ノ若、熱海富士、一山本の4人がトップに並び、貴景勝、豊昇龍ら6人が追いかける。
快勝だった。熱海富士は低い姿勢で飛び込むと、左ハズと右おっつけで攻め込み、湘南乃海に反撃の隙を与えずに押し出した。自身最高位の8枚目で勝ち越しを決め、「前に出られてよかった。(星は)全然意識してなくて、気付いたら勝ち越してた。うれしいです」と頬を緩めた。
1年前の九州場所。令和に初土俵を踏んだ力士の中で初めて新入幕したが、結果は4勝11敗。大きく負け越して十両に転落した。しかし横綱をはじめ、3人の関取衆がいる部屋で地力を高め、名古屋場所で初の十両Vを飾り再入幕。先場所は千秋楽まで賜杯争いに絡む活躍を見せた。
今場所も初日から5連勝発進を決め「落ち着けているのかな」と手応え。八角理事長(元横綱北勝海)も「よく前に出る。だから勝てる。体を生かして若手らしくていいね」と絶賛した。
2敗を堅守してトップに並び、残り5日間に突入する。体調管理の秘けつは「早寝」。眠気はなくとも午後10~11時に布団に入り、体力回復に努めるという。
所要19場所での優勝なら、6場所制となった1958年以降(幕下・三段目付け出しは除く)貴花田、朝青龍の24場所を抜いて最速となる。「しれっと頑張ります」。存在感が増してきた21歳が、賜杯レースを引っ張っていく。