宇野昌磨「申し分ない演技」で2位発進 今季世界最高点の鍵山称賛「僕以上に優真くんが良かった」

 「フィギュアスケート・NHK杯」(24日、東和薬品ラクタブドーム)

 男子ショートプログラム(SP)は鍵山優真(20)=オリエンタルバイオ・中京大=が今季世界最高の105・51点でトップに立った。世界王者の宇野昌磨(25)=トヨタ自動車=が100・20点の2位で続いた。シリーズ上位6人がファイナル(12月7~9日・北京)に進出する。

 納得の2位だった。最終滑走で登場した宇野は、冒頭の4回転フリップを3・30点の加点がつく出来栄えで着氷。4回転-3回転の連続トーループで軽度の回転不足を取られたが、最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は成功させた。「すごい良かったなと思います。演技自体は今できる申し分ない演技をした。点数も全然悪くない。この結果と内容に満足しています」とうなずいた。

 今季のテーマは「表現力」。ジャンプだけではない、人々の心を動かす演技を求めてきた。SPの演技構成点では全体トップの46・99点をマーク。振り付けを担当したステファン・ランビエルコーチからは「今まで以上に熱意があってすごく良かった」と絶賛され、「うれしい。ステファンが思い描くステップをこなせた。皆さんがどのような意見になるのか楽しみです」と達成感にあふれた。

 演技前には自身が保持していた今季世界最高点を鍵山が塗り替えた。その演技を見ていた宇野は「僕以上に優真くんが良かった。彼は全てがうまい」と称賛。自身もSP100点超えと貫禄は見せたが、GP第4戦の中国杯ではフランス選手に次ぐ2位だったこともあり、「いい演技をしたと思ってもまだできたなと思わされる。本当にすばらしいこと」と、世界王者になっても刺激を受ける日々を送っている。

 今大会は3連覇が懸かっており、優勝するとGP通算10勝目を飾り、2位以内に入るとGPファイナル進出が確実となる。鍵山との差は約5点。決戦のフリーへ「中国杯では硬かった。申し分ない練習ができているし、それが出せたら」と、最高の演技を目指す。

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