陸奥親方 優勝の要因は「やっぱり稽古」愛弟子・霧島に受け継がれるストイックさ

 笑顔でパレードに出発する霧島。左は時疾風
 陸奥親方
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 「大相撲九州場所・千秋楽」(26日、福岡国際センター)

 大関霧島が13勝2敗で4場所ぶり2度目の優勝を果たした。平幕熱海富士が4敗目を喫して優勝が決定後、結びの一番で大関貴景勝を突き落として有終の美を飾った。来年定年する師匠の陸奥親方(元大関霧島)にとって最後の地元九州場所で大関初優勝。来年初場所で綱とりに挑む。陸奥親方は自身が果たせなかった「大関霧島」としての九州場所制覇を達成したまな弟子に喜びをにじませた。

 信念もしっかりと継承してくれたことがうれしかった。霧島の師匠、陸奥親方は「やっぱり稽古をやっているから」と優勝の要因に言及。「ダメだったら、稽古が足りないと思えばいい。それは本人にも言ってるけど。その通りにやってきてるんだろうなと思う」と目を細める。

 現役時代は弱点の軽量をウエートトレーニングなどの肉体改造で克服。“和製ヘラクレス”と称されるまでになった。朝3時に起きてランニング。部屋に戻って一度寝た後、他の力士と一緒に起きて稽古。食事と昼寝を挟んで夕方からトレーニングで汗を流し、屈強な体を作り上げた。

 霧島は今場所前の出稽古では、2日間合計70番もの申し合いをこなした。ただ、師匠の目には「まだでしょ」と映る。それも「努力はここでいいというのはない」という信念があるからだ。

 陸奥親方の日課はウオーキング。今場所中の朝も、宿舎周辺の起伏の富んだコースを約90分。東京ではディズニーランドまで歩いたこともあるという。「やり出すと止まらない。まだいけると思い込んじゃう。稽古でもそう」と苦笑するが、そんなストイックさが、霧島にも受け継がれている。人が見ていないところで流す汗こそ本物。「やっていてほしいね。そういうのがあるから強くなると思いたいし」。師匠の思いに応えた先に、横綱の座があるはずだ。

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